今年のキリスト教のカレンダーでは11月の万聖節の祝日が火曜日だった。それに合わせ、前の週末から4連休とする職場も多く、夏の名残のような爽やかで温かな陽気が続いていた10月最後の週末は、国内海外を問わず、各地で行楽を満喫する旅行者でごった返した。コロナ禍が始まる直前、ルーマニアを訪れたのを最後に海外旅行はしていなかった私と相棒も、この4連休を利用して久しぶりに近隣の国を訪れてみようという気分になった。「安近短で異国情緒を満喫できる場所」をキーワードにリサーチを重ねた結果、ギリシャのアテネが浮上。ローマから飛行機で2時間程という近距離にあり、見どころがコンパクトに集まっているアテネの街は、イタリアからの小旅行に最適であることが今回の滞在でよくわかった。3泊4日とは思えないほど充実していたアテネ滞在、その見どころと街歩きのヒントについて、エリアごとにご紹介しよう。

◆アクロポリス

アテネといえば、まず最初に思い浮かべるのが古代ギリシャの神殿が集うアクロポリスだろう。短期間のアテネ観光をプランニングするには、このアクロポリスを中心に据えてスケジュールや宿泊先などを決めるのがベストだ。今回、我々もアクロポリスから徒歩圏内に宿をとったお陰で、時間を気にすることなく朝から晩まで手ぶらで街歩きを楽しめた。

後になってわかったのだが、アクロポリスには入り口が2ヶ所あった。我々は前日ぶらぶらと街歩きをしている時に見つけたプラカ地区に近い南側の門から入場したのだが、こちらはどうやら正門ではなかったらしい。そのせいか、南側の入場門はかなり空いていて、予想していた行列もなくあっさり入場できた。中へ入るとすぐ、広大な敷地内の真ん中に空に突き出た小高い丘・アクロポリスが見える。この丘を取り囲むように、崖沿いにスロープがあり、ここから丘の頂上を目指して登っていく。道々、古代遺跡やギリシャ劇場、段々とひらけてゆく市街地や海のパノラマをのんびり楽しめたので、こちらの門から入って大正解。そして最後に、クライマックスのアクロポリス頂上の階段にたどり着いた時は感動もひとしおだった。ちなみに西側の正門は出入り口となっているので、遺跡から出るときは必ずこちらの門を通るのだが、正門前はチケット売り場も入場口も大行列ができていた。知らなかったこととはいえ、南側の門から入場したお陰で混雑もなく、たっぷり3時間以上かけてアクロポリスを探訪することができた。

アクロポリスの南側の入り口は西側の正門と比べると空いている。入場料はアクロポリスのみで20€だが、市内の7つの遺跡を巡れる5日間有効のお得な共通券が30€で販売されている。アクロポリスのチケット売り場でもオンラインでの事前購入も可能。 (※チケット料金は2022年10月時点のもの)



丘の頂上にあるアクロポリスを目指し、ジグザグのスロープを登っていく。途中、ディオニソスの劇場、イロド・アティコス音楽堂などの遺跡や、高台からの市街地のパノラマなどもたっぷり楽しめる。

 

スロープを登り切ると、いきなり目の前にアクロポリスの門への階段が現れる。正面口から入場すると下からこの階段を見上げつつ登ってくることになるのだが、私は横のスロープを登ってきたためこの光景を突然目にすることになり、思わず息を呑んだ

エーゲ海から吹き上げてくる強い風にさらされたアクロポリスの丘からは市街地や海の水平線まで見渡せる

西欧文明のシンボルとも言えるパルテノン神殿。紀元前5世紀に建てられた建築を間近に体感できることを心底幸運に思う。バーチャルが浸透した昨今、その場へ自ら足を運び、その場の空気を体感することの素晴らしさを改めて実感する

半神半人の英雄・アテネの王エレクティオンの神殿。有名な6人の女神像の柱はレプリカ。実際の像は新アクロポリス博物館とロンドンの大英博物館に展示されている

海抜150mの小高い丘の上に造られた古代の都市国家アクロポリスから、現代のアテネ市街のパノラマを見渡す

アクロポリスの正面出入り口を出て右手にあるフィラパポスの丘は、市街地とアクロポリスを一望できる絶景スポット