今秋の注目ドラマ『愛のあとにくるもの』は、イ・セヨン坂口健太郎という日韓の人気俳優がダブル主演を務めるラブストーリーだ。Prime Videoで配信が始まり、早くも大変な話題を集めている。(以下、一部ネタバレを含みます)

■話題作『愛のあとにくるもの』見どころは?『赤い袖先』イ・セヨンが坂口健太郎とW主演!

『愛のあとにくるもの』は、韓国人留学生のホン(イ・セヨン)が日本で潤吾(坂口健太郎)と運命的に出会って恋に落ち、最初の「愛」と、「別れ」の5年後を並行して描いている。映像美が素晴らしく、桜が満開の東京の風景が鮮やかに描写されている。 

 本当に見どころが多いドラマだが、今回注目したのがイ・セヨンの演技だ。彼女の表現力に触れるにあたって、真っ先に二つのドラマを取り上げたい。

 それは『王になった男』と『赤い袖先』である。そのとき、イ・セヨンの演技はどうだっただろうか。

 時代劇『王になった男』では彼女の巧みな演技が大評判になった。イ・セヨンが扮した王妃は当初から笑顔を忘れていた。国王のイ・ホンが冷酷な夫だったからだ。しかし、ヨ・ジングが演じる影武者がイ・ホンに成り代わってから、国王の態度が優しくなり、それにともなって王妃が笑顔を取り戻していく。

 そうした心の変化……特に王妃の感情が「絶望」から「希望」に移る細やかな揺れをイ・セヨンが見事に表わしてくれた。

 続いて取り上げる大ヒット作『赤い袖先』は、2PMジュノが演じるイ・サンと、イ・セヨンが扮する宮女ソン・ドギムの究極的な愛を描いた宮廷ロマンスだ。その中でイ・セヨンはソン・ドギムを「意志が強い自立的な女性」として演じていた。

 厳格な身分制度があった朝鮮王朝時代では、女性が道徳的に縛られて生きざるをえなかったが、『赤い袖先』でイ・セヨンが見せた「自ら行動する強さ」は圧巻だった。その生き方は確かな説得力を持っていた。

 チョン・ジイン監督が『赤い袖先』のキャスティングで最初にこだわったのが、イ・セヨンの起用だったという。それほど、イ・セヨンの演技力は演出陣から高く評価されていたのだ。