テレビ東京の韓流プレミアで放送中の『善徳女王』。クライマックスが近づいてきたが、ドラマの展開上ではピダム(キム・ナムギル)の動向が大きな鍵を握っていた。彼の動きが本当に興味深かった。(以下、一部ネタバレを含みます)
■人気時代劇『善徳女王』キム・ナムギル扮するピダムの魅力とは?
振り返ってみれば、ピダムという人物はドラマの進行に合わせて刻々と変化していくキャラクターだった。彼の人物像に注視すると、ピダムは主に3つの時期にわたって描かれている。
最初は少年時代だ。とても自由奔放であり、年の割には世間に長けていた。彼は、もともと新羅(シルラ)を牛耳っていたミシル(コ・ヒョンジョン)の息子だ。しかし、生まれたときにミシルによって捨てられて、仙人のような達人に育てられた。
それでも、ミシルの血をよく引き継いでおり、頭脳も明晰だった。そのうえで武術がとても強く、本当にユニークな若者となっていた。
次が、青年時代だ。彼は王女トンマン(イ・ヨウォン)とキム・ユシン(オム・テウン)と協力しあい、ミシルに対抗する「強力なトライアングル」になっていた。
実際、ユシンとは信頼に基づく盟友関係を結び、トンマンともお互いに理解しあっていた。また、武術に優れた青年として王宮の中でも一目置かれる存在になっていた。そういう意味では、トンマンが女王になっていく過程で大変重要な役割を果たしている。
それでも、ミシルがトンマンに屈服して自害するときには、ピダムもミシルのそばで彼女を見守った。最期の瞬間でもミシルが我が子に優しい言葉をかけることはなかったが、彼女の心情をピダムも十分に受け取ったことだろう。
さらに成長したのが壮年期だ。国王になったトンマンはピダムに重要な役割を与えた。それは官僚たちの人事を完全に掌握する部署であった。ここでピダムは野心をあらわにしていく。いずれ国王になるという宿願を露骨に見せるようになったのだ。