2024年も数多くの韓国ドラマが放送、配信されたが、ソウル以外の地方都市を舞台とした作品がかなり多かったという印象をもつ。韓国地方旅プランナーの筆者としては、韓国ドラマをきっかけに、韓国の地方都市が注目されるのは大変嬉しいことだ。

 ビョン・ウソクキム・ヘユン主演のヒット作『ソンジェ背負って走れ』(U-NEXT配信)では、京畿道水原(スウォン)市で撮影が行われた。なかでも「ソンジェの家」には大勢のファンが詰めかけるほど、ロケ地がホットスポットと化している。

 ここでは、2024年の作品のなかで、筆者の心に残った印象的な「韓国ドラマロケ地」ベスト3を紹介しよう。

■2024年「韓国ドラマロケ地」ベスト3!

■『組み立て式家族~僕らの恋の在処』主人公たちが暮らす海辺の街

 ユン・ジョンジェ(チェ・ウォニョン)は、カルグクス屋を営みながら、男手ひとつで娘のジュウォン(チョン・チェヨン)を育てている。

 ある日、ジョンジェが住むアパートの上階に警察官のキム・デウク(チェ・ムソン)一家が引っ越してくる。ところが、あることで息子のサナ(ファン・イニョプ)を恨む母親が、間もなく家を出て行ってしまう。

 一方、ジョンジェの見合い相手の女性が、1人息子のカン・ヘジュン(ペ・ヒョンソン)を置いて姿を消す。ヘジュンを引き取ったジョンジェは、デウク、サナ父子とともに、2人の父と3人の子供たちとの共同生活を始める。

●配信情報:『組み立て式家族~僕らの恋の在処』U-NEXTにて独占配信中

 物語の主人公たち、5人家族が暮らす街は、美しい海に面した地方の村だ。

 撮影が行われたのは、韓国南東部、慶尚南道昌原(チャンオン)特例市の鎮海(チネ)区にある行岩(ヘンアム)マウルという小さな漁村である。

 ジュウォンたちが通学に使うバス停の前に廃線となった線路が見えるが、現在でもまれに貨物列車が通り過ぎる姿を見ることができるという。

 鎮海港に面した海岸沿いには、劇中登場したハート型をはじめとしたさまざまなオブジェが並び、フォトスポットとなっている。

 鎮海といえば、日本統治時代に軍港都市として開発された街だ。町全体に約36万本の桜の木が植えられており、桜の開花時期に合わせて開催される鎮海軍港祭りには、全国から大勢の観光客が訪れる。祭りの期間中は、行岩マウルからタクシーで15分ほどの場所にある鎮海海軍兵学校の内部が開放される。

●鎮海へのアクセス:釜山西部バスターミナル(沙上)から鎮海バスターミナルまで約1時間10分

『組み立て式家族~僕らの恋の在処』のロケ地・鎮海では桜の開花時期に合わせて鎮海軍港祭りが開催される