韓国ドラマには、社会の移り変わりを如実に描くという伝統がある。そんな「社会派ドラマ」ジャンルの作品として、2025年に人気を集めたのが『エスクワイア : 弁護士を夢見る弁護士たち』『瑞草洞<ソチョドン>』『テプン商事』だった。前の2本は誠実な弁護士が主人公であり、後者の1本は経済危機の中で奮闘する中小企業の社長が大活躍していた。(以下、一部ネタバレを含みます)
■社会派ドラマ傑作3選!主演のイ・ジヌク、イ・ジョンソク、2PMジュノに注目
■『エスクワイア : 弁護士を夢見る弁護士たち』
大手法律事務所に入った新人弁護士のカン・ヒョミン(チョン・チェヨン)と、上司の訴訟チーム長ユン・ソクフン(イ・ジヌク)が主人公になっている。ドラマでは、2人が誠実な仕事ぶりで難しい訴訟案件を解決していく姿が描かれている。
特に秀逸なのは、訴訟によって人間の感情がどう変化するかを優しく取り上げていることだ。依頼人は誰もが傷を抱えているが、弁護士が自ら手をさしのべて、問題の解決に親身に協力していた。その目線が温かかった。
同時に、弁護士自身も個人的な傷を抱えており、その際にも、変遷する社会の中でどう生きていくのが幸せなのかを繊細に示していた。そういう意味でも、見た後の余韻がとても心地よいドラマだった。
●配信情報
Netflixシリーズ『エスクワイア: 弁護士を夢見る弁護士たち』独占配信中
[2025年/全12話]演出:キム・ジェホン 脚本:パク・ミヒョン
出演:イ・ジヌク、チョン・チェヨン、イ・ハクジュ、チョン・ヘビン、キム・ウィソン、キム・ヨジン、ホン・ソジュン、ユン・ユソン、チョ・スンヨン、イ・サンヨブ
■『瑞草洞<ソチョドン>』
舞台になっているのはソウルの瑞草洞(ソチョドン)。近くに裁判所があるので法律事務所が多い地域だ。ここの法律事務所に勤務するアソシエイト弁護士たちの日常が描かれていく。
メインで登場するのはランチ会に集まってくる5人。経験豊富なアン・ジュヒョン(イ・ジョンソク)、新人のカン・ヒジ(ムン・ガヨン)、そして、チョ・チャンウォン(カン・ユソク)、ペ・ムンジョン(リュ・ヘヨン)、ハ・サンギ(イム・ソンジェ)だ。
5人はそれぞれ、仕事とプライベートで悩みを抱えているが、ドラマはリアルな感性を盛り込んで丁寧に描いていた。
さらに、『瑞草洞<ソチョドン>』は法廷ドラマとして卓越した展開を持っていた。それもそのはず。脚本家イ・スンヒョンは現役弁護士で、アソシエイト弁護士の現実や裁判の進め方などを熟知している。そこが強みであり、各話で描かれている数々の訴訟案件も細かい部分まで詳細だった。
●配信情報
『瑞草洞<ソチョドン>』U-NEXTにて独占配信中
[2025年/全12話]演出:パク・スンウ 脚本:イ・スンヒョン
出演:イ・ジョンソク、ムン・ガヨン、カン・ユソク、リュ・ヘヨン、イム・ソンジェ
(C) CJ ENM Studios Co., Ltd.