■舛添要一からマイケル・ジャクソンまで90年代もタレントゲームブーム

『舛添要一 朝までファミコン』

 90年代に入ってからもタレントゲームのブームはおさまらず。不安な未来を予言していた『舛添要一 朝までファミコン』(1992年)も外せません。

 選択肢で進むアドベンチャーゲームで、舛添さん本人もキャラで出るのですが、そのソフトの説明書より2倍ぐらいブ厚い「舛添ブック」なるものが同梱されていた同作。そこには舛添さんの言葉として、「公私混同は失敗の元」、「自分の金も使えない男はだめだ」など、未来の都知事の舛添さんご本人に言っているかのような文面が多々あり、世間では「ブーメラン」などとも言われていました。

 その影響もあり、一時期このソフトはAmazonで5万円まで高騰。このゲームソフトを持っているだけで、テレビなどのメディアにも出られた、魔法のソフトでした。

『マイケル・ジャクソンズ・ムーンウォーカー』

 また90年代といえば、メガドライブのナンバーより『マイケル・ジャクソンズ・ムーンウォーカー』(1990年)も見逃せない。

 マイケルのBGMに、マイケルのダンスなどで敵を倒していくアクションゲーム。敵はおろか、ゾンビや犬もマイケルのダンスにはつられて踊ってしまい、踊り終わるとなぜか即死するという、お笑いバカ要素も含まれていますが、単なるタレントゲーにとどまらない完成度。音楽もマイケルの動きも、ゲーム性も見事にハマった成功例と言えるでしょう。

『マイケル・ジャクソンズ・ムーンウォーカー』プレイ画面より

 そして80年代から90年代のタレントゲームといえば、PCエンジンを持っていた人なら必ずやっていたであろう、ハドソンによる加藤茶志村けんのゲーム『カトちゃんケンちゃん』(1987年)。このゲームも、マイケルのように、ゲーム性とタレント人気とネタ要素とが絶妙にはまったゲームでしょう。

『カトちゃんケンちゃん』

 当時、1986年から1992年までTBS系で放送されていたバラエティ番組『加トチャンケンチャンごきげんテレビ』といえば、『8時だョ!全員集合』(TBS系)を破ったライバル番組の『オレたちひょうきん族』(フジテレビ系)から、再び視聴率トップの座を奪い返したモンスター番組。のちにつながる「だいじょうぶだぁ」というギャグもこの番組から生まれました。

『カトちゃんケンちゃん』プレイ画面より

 加藤茶と志村けんの人気が絶頂の中で発売された同作。ハドソンならではの、難易度の高いやりごたえのあるアクションゲームで、番組を生かしたゲーム設定や高いグラフィック、立ちションや野ぐそ、おならでの攻撃など、バカ要素もてんこ盛りでキッズたちは夢中になりました。

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