育成のセレッソが復活か?

 そうした選手もいる新戦力だが、一番大きな注目を集めているのは西川潤(←桐光学園高校)だろう。昨年3月に入団内定が発表されると、その翌週に特別指定選手としてルヴァンカップに出場した。飛び級でU-20ワールドカップのメンバーにも選出されている。

 何より話題となったのは、世界的名門バルセロナが獲得を狙っているという噂だ。国際移籍が可能となる今年2月の18歳になる誕生日に動きはなかったものの、この夏には早くもスペインへと飛び立つ、と報じているメディアもある。

 C大阪はかつて、若手の育成を得意とするクラブとして知られていた。香川真司という逸材を見いだし、高校時代から才能を高く評価されながら横浜FMでくすぶっていた乾貴士を花開かせた。ヨーロッパへと羽ばたいた2人は日本代表でも活躍し、2018年のロシア・ワールドカップでのベスト16入りにも大きく貢献した。

 その香川獲得に深くかかわった人物が、クラブに復帰した。梶野智チーム統括部長である。かつても同職に就き、若き香川を抜擢したレヴィ―・クルピ監督を招へいするなど、若手育成の舵をとってきた。

 2月に行われたサポーターとの集会に参加した梶野チーム統括部長は、かつて乾と香川がつけた背番号を「あえて空けている」と語ったという。現在スペインでプレーし、獲得には移籍金の発生する2人の加入が現実になるかはわからない。だが、復帰した舵取り役と老獪な指揮官、そして若いタレントと、何かを起こす予感が今季のC大阪には漂っている。

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