■TVアニメ版と性格が違う?

 先にも述べたように、22/7のメンバーは架空のキャラクターである。リアルメンバーと呼ばれる声優たちは、個々の設定を踏まえた上で、台本に沿ってキャラクターを演じているはず。それでも収録中に素の部分が出ることが多々あり、特にアドリブを要求されるシーンではキャラクターを忘れてしまいがちだ。

 その結果、言葉遣いや行動がキャラクターの設定からやや逸脱するのだが、この番組ではそれも笑いの要素として許容されており、むしろ公式設定とのギャップが売りにもなっている。

 そのため、シーズン1で『22/7』のキャラクターに慣れた視聴者の中には、今年放映されたTVアニメ版を見て、そのギャップに驚いた者も少なくないようだ。

 TVアニメ版と性格の乖離が著しいキャラの代表格は「ロサンゼルス育ちの帰国子女」である藤間桜(声・天城サリー)だろう。

 TVアニメ版の藤間桜は、亡き祖母との約束を果たすためアイドルを志した、温厚で心優しい性格の少女で、人づきあいが苦手な滝川みうも、桜の無垢な笑顔に支えられていた。まさしく天使のような存在だと言える。

 対してバラエティ番組『計算中』での桜は、ひと言で言えば“真逆”の存在である。シーズン1の序盤は「帰国子女」のイメージ通りのフランクなノリでスタジオを盛り上げる役に収まっていたが、回を重ねるごとにフリーダムな言動が加速。やがて企画の主旨すらそっちのけで我が道を突き進むようになっていった。

 シーズン1の第33~34回にかけて行われた「22/7常識・非常識クイーン決定戦」では、「パ・リーグとは何の略?」や「童謡『森のくまさん』で女の子が落とした物は?」といった一般常識レベルの問題に不正解を重ねた挙げ句、MCの三四郎やメンバーの失笑に逆ギレ。桜は「具体性に欠ける問題文が悪い」と番組に難癖をつけるありさまで、この回で「へ理屈クイーン」の称号を与えられて以降は、その無軌道ぶりが桜のキャラとして定着している。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5