『信長の野望』シブサワ・コウが明かす誕生秘話「戦国武将の生き様をゲームで表現したかった」
シブサワ・コウ(撮影/弦巻勝)
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 私が歴史ゲーム『信長の野望』を作ったのは、「織田信長が好きだったから」ということに尽きますね。

 創造と破壊という言葉がありますが、信長はまさしくそれを実践した人物。誰もやったことがない戦い方、軍団の編成、経済政策……斬新なアイデアを実行していくという生き方そのものがとても魅力的なので、「信長の一生をゲームにしたら面白いんじゃないかな」と思うに至ったんです。

 シリーズ第1作の発売は1983年。当時、私は家業を継いで、小さな染料工業薬品販売会社の三代目社長という立場でした。

 社長というのは営業だけでなく、財務も在庫管理も人事の業務もしなくてはならない。そんなところから、「戦国武将だって戦場で戦うだけでなく、町作りに城作りに内政に外交に、やることがたくさんあったんじゃないか」という考えを持つようになりました。だから『信長の野望』では、単に戦うだけではない、信長の人生そのものを表現しようと思ったんです。

 特に信長は、本能寺の変で非業の最期を遂げますよね。「もし、自分が信長なら、本能寺に2万ぐらいの軍勢を連れていって打ち返すのに」なんてことも、ゲームだったら実現できる。歴史のif(イフ)を楽しむという視点からも、面白い作品になるかなという期待がありました。

 この信長を疑似体験できる醍醐味は、おかげさまで大好評。大勢のお客様に楽しんでいただき、現在ではシリーズ第15作目を世に出すまでに至りました。

 ただ、『信長の野望』というゲームがこんなに支持され、これほど長いシリーズになるとは、全然想像していませんでした。約40年間、とにかく目の前のこの一作を最高のものにしようと、ゲーム作りに取り組んできた積み重ねなのかなと思います。

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