■大宮は18歳のルーキーが、山口は16歳の高校生が出場

 7月15日開催の5節のゲームでは、ジェフユナイテッド千葉の櫻川ソロモンが話題を集めた。初スタメン初ゴールは衝撃のデビューだった。

 18、19日に行なわれた6節でも、10代のプレーヤーがピッチに立っている。

 大宮アルディージャでは、Uー18からトップ昇格1年目の髙田颯也がプロデビューを飾っている。ストライドの大きなドリブルが魅力のアタッカーは、久保建英と同級生だ。0対1とビハインドを背負う展開で投入され、思い切った仕掛けで相手ゴールへ迫った。

「プロデビューできたことは良かったですが、監督からも積極的に仕掛けて得点やアシストを狙うように言われていましたし、同点に追いつくこと、逆転することが自分の仕事だったと思います。そこで得点まで持っていくことができなかったことは、まだまだ甘かったのかなと感じています」

 高木琢也監督が指揮する大宮は、前節の栃木SC戦に続いて今節のヴァンフォーレ甲府戦も0対1で敗れた。4連勝からの2連敗となっただけに、2001年8月生まれの18歳は悔しさをにじませた。

 琉球から再開後初勝利をつかんだレノファ山口では、高校2年生の河野孝汰が後半途中からピッチに立った。03年8月生まれの16歳で、すでに昨シーズン終盤にJ2リーグデビューを飾っていたが、今シーズンはこれが初出場である。

 3対1とリードする展開で、ブラジル人FWイウリとタテ関係を組むような位置で起用された。82分には中盤からのタテパスでイウリを走らせ、ダメ押しの4点目のきっかけを作った。

 試合後の霜田正浩監督は、「彼が16歳とは考えていないです。練習で非常に良いプレーをしている。彼の持ち味、シュート力、決定力の高さがJ2でも十分にできると思いましたので、使いました」と話している。 

 今シーズンはJ3降格がないだけに、監督からすれば若い選手、経験の少ない選手を使いやすい。連戦を乗り切るためには、使っていかなければいけないとも言える。

 そういった事情を差し引いても、今シーズンのJ2は若い力の萌芽が目立つ。10月にU-19選手権を控えるU-19日本代表や東京五輪の代表入りを巡る争いが、J2から激化していきそうだ。

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