■大人気シリーズ『ペルソナ』初代作はやはりモノが違う

『女神異聞録ペルソナ』より

 ところで、みなさんは「胡蝶の夢」を読んでどう感じたでしょうか? 私はなんだか少しだけ共感する点がある気がしました。

「自分は何者なのか」「本当の自分とは」と向き合うことはこれまであったでしょうか。

 ペルソナシリーズではよく描かれる、「自分と向き合い、受け入れる」という描写が初代である本作からバンバンちりばめられています。その丁寧なシナリオの作りも圧巻で、キャラクターたちの悩み・葛藤も「高校生」という身近さから感情移入しやすい、という構成になっているのも素晴らしいです。ペルソナ使い、という非リアルな設定こそあれど、等身大な彼らの言葉や行動に共感できる点は非常に多いと思いますし、胸にずんとのしかかります。マークとなんじょうくんのやりとりも、少しずつ成長が見えていくたびに「ああ、ぼっちゃま……」としみじみしますよ。

 また、ペルソナシリーズではたびたび「ダメで悪い大人たち」が登場しますが、本作の黒幕もその例に漏れません。そういう見え方にすることでより「ジュブナイル」的な要素を味わえるのでしょう。黒幕がどんな結末をたどり、それを見た主人公たちが何を思うのか、ぜひその目で確かめてください。

『女神異聞録ペルソナ』より

 本作はネタバレ厳禁! というような突飛なオチがあるかと言えば、もっととんでもないオチがあるゲームはたくさんあるのでなんとも言えません。しかし、なぜか引き込ませるのです。その展開と彼らの言葉に、プレイヤーは胸を締めつけられるのです。

 自分の胸にも突き刺さる、「自分だったらどうしていただろうか」ということの連続の果てにあの結末……。ああ、体感していただきたい……。

 確かに上記に挙げたような遊びづらさはありますが、PSP版のリメイクであればそういったデメリットはクリアされているので非常に遊びやすくなっています。ただし、『ペルソナ3』以降のポップさとはかけ離れている『女神異聞録』の独特な雰囲気と、敵とエンカウントしない階段の踊り場を往復してSPを回復する「ズル」が消えてしまっている点だけご注意ください。

『女神異聞録ペルソナ』より、隠しキャラでありながら人気の高い城戸など名キャラ豊富な本作

 私は初代ペルソナを感じるのであればPS版『女神異聞録ペルソナ』をおすすめいたします。確かにセーブポイントは少ないし、2~3時間はかかるダンジョンはありますし、クリアしようと思ったらおそらく100時間はかかりますし、敵も超強いですが、腰を据えてゲームをやりこみたいと思っている方には本当にオススメです。

 難しさややりづらさが理由でこんな面白いものを手にしないのはもったいないと、プレイした人間だからこそ強く思います。まあ、当時本当に暇だった大学生だからこそできたのかもしれませんが、コロナで外出を控えているRPG好きな方、週末のおともに『女神異聞録』はどうでしょうか?

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