■村岡コーチが衝撃を受けた「川崎フロンターレの試合後」

──もうすぐシーズンが折り返し点を迎えますが、これまではケガ人を少なく抑えることができていますね。

「ウォーミングアップとクールダウンを選手に任せず、全員でやることを徹底しています。他のチームでは選手に任せてしまうところもあると聞きますが、ギラヴァンツでは選手任せにはしません。

 あとは予防のトレーニングを、毎日少しですけれど入れていることの効果かな、と思います。つねに予防の種目を入れるようにしていて、これは10年前にはなかったことです。筋肉系のケガが、出にくくなります」

──夏場の連戦でケガ人が続出することなく、しっかりと結果を残すことができたのは、フィジカルコーチとして胸を撫で下ろすところですね。

「ここから先は疲労が蓄積していきますので、前回はこうだったから同じようにいくかというと、必ずしもそうではないと予測しています。同じパターンでいったら疲労を取り切れないかもしれないし、4試合連続で出ている人はダメだけれど1試合休んだ人は元気になるとか、そういう違いも見落とさないようにしなければ。ピッチに立った選手が常にフレッシュであるようにしたいと思っています」

──フィジカルコーチならではの喜びを、最後に教えていただけますか。

「ただ“走れる”と言われるだけでなく、“いいサッカーができている”と言われることが嬉しいですね。その土台がフィジカルだと思いますので。試合中は15分ごとにGPSのデータを見ているのですが、交代で入った選手がチームの強度を落とさない役割を果たしてくれています。誰が出てもサッカーが変わらないと言われますが、途中交代の選手が戻してくれているのです。全員で戦うことができている。それがとても誇らしいですね」

 

 村岡フィジカルコーチには、強く記憶に残る光景がある。

「2月の沖縄キャンプで、川崎フロンターレと練習試合をしたんです。そのときに川崎フロンターレの主力選手が、試合後にとても強度の高いトレーニングをやっていたのです。高強度で走ってから正確なクロス、正確なシュートを繰り出していました。ウチのチームとはまったく違うと思いましたね」

 J1の首位を独走する川崎Fの強さを裏付けるエピソードだが、村岡フィジカルコーチは闘志を掻き立てられたに違いない。フィジカルを向上させることがチームの可能性を拡げていくことを、彼は目の前で目撃しているのだから――。

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