■「2021年は、もっと大変でしょう」

―偶然ではなく、ちゃんとオペレーションしたことによって、こういう良い結果につながった……。

大住「だって誰も経験していなかったことだし、誰も予想していなかったことなわけで。それで、これだけやり切れたというのはすごいなって思いますけどね。まあ、褒めてばかりでもしょうがないけど」

―来年はどうなってくるでしょうか?

大住「来年も同じような感じじゃないかな。とりあえずシーズンの初めのころは同じような感じでやるしかないと思う。下手すりゃ、また無観客だよね。国の政策にもよると思うけど、いまの感染状況がさらに拡大して、東京で1500人を超えるような状況が、シーズンのスタート時にかかっていたら、無観客はあり得ると思う」

―コロナは今年、さまざまなクラブの経営状況にも影響を与えましたね。

大住「2021年はもっと大変ですよ。20年はなんとか乗り切れるかもしれないけど、21年は乗り切れないクラブがいくつも出てくる可能性がある。その時にJリーグが支え切れるかどうかもわからないし」

後藤「もし、たとえばワクチンが早めに行き渡って、事態が乗り切れたとしても、以前と同じようにお客さんが入るかはわからないしね」

大住「いろいろ聞いていると、怖いって言うんだよね、サッカー場に行くのが。2万人は入れるようになっても、1万人も入っていない試合もたくさんあった。それはやっぱり、怖いって思っている人がすごく多かったみたい」

後藤「あるいは、声を出せないんじゃもうつまらないから行かない、っていう人もいたんだと思う。社会のあらゆる面に言えることだと思うけど、完全に元に戻ると考えてはいけないかもしれない。そんな状況で、どういう風に経営をしていくのか。スタジアムに来なくても楽しめる方法を模索する、そんな風に考えないといけないですよね」

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