■チョン・テセは計算できる得点源だ

 20年シーズン途中からアルビレックス新潟でプレーしたチョン・テセは、26試合出場で9得点をマークした。昨年10月の町田戦で途中出場からハットトリックを達成するなど、短時間でも結果を残す決定力は健在だ。2ケタ得点を計算できる36歳は、精神的な柱としてもチームに好影響をもたらすだろう。

 アタッカーでは太田修介も獲得した。20年シーズンのヴァンフォーレ甲府で2シャドーを主戦場に、31試合出場6得点を記録した24歳だ。

 また、横浜F・マリノスからFWンダウ・ターラが期限付きで加入している。セネガル人の父を持つ21歳は、186センチの長身とシュート力が強みだ。チョン・テセを身近なモデルとして、成長していくことが期待される。

 20年シーズンの町田は、12勝13分17敗の19位に終わった。とはいえ、12位の東京ヴェルディとは勝点5差、9位の水戸ホーリーホックとも勝点9差で、数試合の結果次第で順位を大きく上げることも可能だった。

 41得点52失点という数字から分かるように、得点力を高めて守備力を強化することが21年シーズンへの最初の課題となる。ここまでの補強は申し分ないと言えるが、FW安藤瑞季の去就は気になる。セレッソ大阪からの期限付き移籍で7得点した彼を引き留められると、前線のコマがさらに充実する。さらに言えば、マソビッチステファンの両外国人と契約を更新するのか、それとも新たな外国人アタッカーを求めるのかも、新シーズンの行方を左右する要素に含まれる。

 

【補強充実度】 A 

昨シーズンのチームを土台に、必要なポジションにしっかりと補強した。

【J1昇格本気度】 

長丁場のリーグ戦でケガ人が多数出ることを想定すると、保有戦力の厚みに現状でやや不安が残る。J1昇格争いに加わるためには、必要に応じてシーズン途中の補強も視野に入れるべきか。

【J1昇格可能性】 B 

上記と同じ理由で。主力としての稼働を期待される選手が確実に数字を残していけば、昇格レースに関わる可能性は十分にある。

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