ラツィオ最大の武器はインモービレの裏抜けで、この守備が上手く作用するのは、そのことも影響している。パスコースを消されたディフェンダーには、自ら持ち上がって打開する、という選択肢があるが、その流れでボールを失えば、インモービレに一発でやられることになる。

 当然、ラツィオもそれを狙っているので、どうしてもリスクを取る必要がある状況に追い込まれない限り、ディフェンダーは無理をしない。つまり、スコアレスの状況ではそのプレーは選べない。全てを飛ばしてエディン・ジェコにロングボールを放り込み続けてみる、という方法もあったはずだが、孤立しているジェコに対して3バックで対応するラツィオがエラーを起こすことはなかった。

 今のローマに打つ手はなかった。

 それほどまでに完璧にしてやられた。

 敗れたローマは、ダービーでの3失点という屈辱、ということよりも、ローマ相手にはこう守れば良い、というお手本を披露されてしまったことがこの先も尾を引く問題だ。早急に解決方法を模索しなければ、間違いなくここからずるずると順位を下げることになる。

 勝ったラツィオは、ライバルの攻略法を他チームに示せたことで、ローマが解決策を見つけられない限り、この先何度でも喜びを味わうことが出来る。ダービーは1試合以上の価値を持つ。

■試合結果

ラツィオ 3ー0 ローマ

■得点

14分 チーロ・インモービレ(ラツィオ)
23分 ルイス・アルベルト(ラツィオ)
67分 ルイス・アルベルト(ラツィオ)

  1. 1
  2. 2
  3. 3