■森保一監督がもたらした新たなステージ

 モンゴル戦の試合後のオンライン会見の最後に、森保一監督はJリーグ所属の選手たちについて、こんなことを言っていた。

「自分のチームに刺激を持ち帰ってほしい。Jリーグの試合でも成長ぶりを見せてJリーグも盛り上がってくれると嬉しい」

 まさに、その言葉通りのことがピッチ上で起こっているように見えた。

 かつては、代表チーム内での序列が完全に決まっていたような時代もあったし、監督が海外組を優先しており、国内組の意欲が削がれてしまった時代もあった。代表での活動がマンネリ化して、代表の活動のためにヨーロッパから日本に帰国することが負担のように感じられていた時代もあった。

 だが、Jリーグで活躍した選手を数多く招集し、実際にそういう選手たちが起用されて活躍したことによって、多くの選手のレベルが上がり、Jリーグの活性化にもつながり、同時に海外組の選手たちの闘争心にも火をつけた。代表チームのチーム内競争が激化しただけでなく、さまざまな意味で刺激をもたらした3月の2つの代表チームの活動は大成功だったように思えるのである。

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