■“清水キラー”が投入される

 1-0のリードで折り返した後半は、清水のFWチアゴ・サンタナや中山を起点にした相手の攻撃に苦戦するシーンもあった。後半9分にDFエウシーニョが投入されると、攻勢はやや清水に傾く。37分には、山中のパスミスを奪われると、途中出場のFW後藤優介にシュートを打たれる。

 それでも、浦和は前節の鹿島戦と同様に、後半に入っても高いインテンシティーを保つことができていた。さらには、前線からプレスを仕掛け、高い位置でボールを奪おうという意識も強かった。

 相手の時間帯が続いても、浦和は攻撃的に試合を運ぼうと試みる。後半23分には、1トップの武藤に代えて、FW興梠慎三を投入。興梠は浦和加入後から清水戦では14試合11得点をマークする“清水キラー”。さらに、31分には武田に代えて、FW杉本健勇を送り出した。追加点を取りにいこうというリカルド監督からの指示は明確だった。

 そんなリカルド監督の采配が的中したのは、試合終了間際の後半45分だった。興梠のスルーパスを受けた途中出場のMF伊藤敦樹がクロスを送ると、走りこんできた杉本が右足をボレーシュートを放ち、追加点を奪った。

 試合はこのまま2-0で終了。守備でも西川が相手のチャンスを阻止し、クリーンシートに抑えた。“清水キラーの”興梠のゴールは生まれなかったものの、清水戦は2013年から14試合で不敗(10勝4分け)となった。浦和にとっては今シーズン初の連勝。開幕の当初こそ出遅れた印象だったが、ここにきてリカルド監督のサッカーが実を結び始めている。

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