チームD(高塚智人、深町寿成、矢野奨吾、大野智敬、狩野翔、山中真尋)

母のもとにやってきた兄弟の祈り

 

謎の病に冒されて眠ったままの母が暮らす実家に集まったのは、普段は別々に暮らし、性格もまったく違う6人の兄弟。彼らの物語は、『花は根に、鳥は古巣に、僕らは僕らの家に』というタイトルだ。演じたのは、4組目のチームD(高塚智人、深町寿成、矢野奨吾、大野智敬、狩野翔、山中真尋)。主人公のヤマブキ(山中)はその中でも末弟だ。彼も含めた6人の兄弟が自らの道を歩みながら、病に倒れた母を囲むホームドラマが始まる。長男でムードメーカーのアイビー(高塚)、料理上手な次男のネモフィラ(深町)、三男のカルミア(矢野)は慎重派、四男のムクゲ(大野)はツンデレ、五男のイベリス(狩野)は一匹狼な自由人と、全員がまさに適材適所で、軽妙なボケやツッコミ、家族ゆえの当意即妙な会話で、兄弟の絆を存分に見せる。

またこの舞台では、最年長の山中が末弟役という配役が、全体のチームワークを支えているように感じられた。山中をコンダクター(指揮者)とすれば、それぞれの兄弟がメインテーマを担うような場面もあり、朗読劇の深みを感じる瞬間が多数あった。また、家族のドラマだけあって、役者それぞれのキャラへの色付けも細やかで、本作への想いが感じられるばかりだった。

 

朗読劇全4作の登場キャラクターの名前はご存知のとおり、全て草木や植物、花の名前。その名前を与えられたキャラの喜怒哀楽を、全員が持ち前の表現力で魅了してくれた。そして最後は24人それぞれが、自分たちのラジオ番組をアピール。「ラジ友」のテーマソングである伊東健人作曲の『ぎゅってしよ!』を全員で歌い、優しい拍手に包まれて終幕を迎えた。ファンの優しさと、それに対してありあまる気持ちを「表現」でお返しする演者たちの熱意が、場内を幸せに満たしたステージとなった。

 

《公演情報》
ラジ友感謝祭2022
2022年4月23日(土)
[日時]
昼の部 開場13:30/開演14:30
夜の部 開場17:30/開演18:30
[会場]
なかのZERO 大ホール
[登壇者]
伊東健人/岩崎諒太/浦尾岳大/大野智敬/狩野翔/川島零士/河西健吾/菊池勇成/児玉卓也/駒田航/子安光樹/汐谷文康/高塚智人/高橋英則/寺島惇太/中島ヨシキ/深町寿成/室元気/矢野奨吾/山上佳之介/山口智広/山中真尋/山谷祥生/一夜愛(敬称略・五十音順)


【INFORMATION】
WEBラジオステーション
「ラジ友」
https://radiotomo.com

 

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