高橋留美子「ファミコン大投票」四谷さんが非道な『めぞん一刻』が1位!【フジタのファミコンコラム】の画像
ファミコン版『めぞん一刻』(フジタ私物)

 こんにちは、ファミコン芸人のフジタです。11月16日の夜に高橋留美子原作アニメから人気キャラやエピソードの人気ランキングを選ぶ「発表! 全るーみっくアニメ大投票」(NHK-BS)なる番組が放送されましたが、僕がもしも“ファミコン票”を1票入れるとするならどれにするか。

 高橋留美子先生の作品を原作とするゲームはPC、MSX、ファミコン、スーファミ、PCエンジンなどなど各種ハードから出ているのですが、やはり僕が票を入れるとするならファミコン版『めぞん一刻』でしょう。

ファミコン版『めぞん一刻』より

 ファミコン版『めぞん一刻』は1988年にボーステックさんから発売されたソフト。オープニングから、テレビアニメ同様に、斉藤由貴のナンバー「悲しみよこんにちは」が流れることにまず感動します。ゲーム内容は、推理したり選択したりして進めていくアドベンチャーゲーム。とはいえ、票を入れたものの、ファミコン全体としては『めぞん一刻』は「平均かやや下」といった評価。1988年のソフトとしては「平均値をやや上回る」ぐらいのタイトルかもしれません。

四谷さんはいろいろな場所にあらわれる

 まずシステムが分かりにくい。主人公・五代くんの部屋からゲームがスタートするんですが、何をしていいのかまったく分からない! さらにシステムがややこしい! となりの部屋に行こうにも1回の行動ではたどりつけず、「左に行く」「あける」「とびら」「四号室に入る」という手段をしなければならない面倒臭さ。しかも苦労していろいろな部屋を回っても何も起きない。

 当時はあるあるでしたが、初期アドベンチャーや初期RPGでは「鍵を使う」「扉に使う」「開ける」など面倒な手間がありました。初代『ドラゴンクエスト』の「はなす」「東西南北の選択」「階段に重なってからかいだんコマンドを使用する」など面倒なシステムには泣かされました。時代を考えると、仕方ないといえば仕方ないです。

 もう少し古いゲームではセーブ機能すらなく、100文字を超えるパスワードをノートに逐一メモしていましたし、子どもたちは苦労したものです。しかもせっかくメモしたパスワードも誤字があったり、汚い文字のせいで判読できなかったりで……。高橋名人の教え「ゲームは1日1時間」を守っていたら、パスワードの入力だけで、ゲーム時間が終わるんじゃないかなんて言っておりましたが、『めぞん一刻』ではなんとセーブができたんです!

 しかし、その便利機能であるはずのセーブやロードもパッとはいかないのが『めぞん一刻』。トイレの建てつけが悪く、「たたく」「あける」「トイレのドア」「トイレに入る」といった手順を踏まなければセーブするためのトイレに入れなかった……。

苦労して管理人さんに会いに行っても何も起きない
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