■「こんな負けが二度とないように」

 気田にこのような形でボールを渡すのはその前にも見られたシーンで、マルティノスがゴール前に走り込んだのも、何度も見られた形だった。決して即興ではなく、ある程度の準備をしてきた形で奪った得点だったはずだ。

 結局、仙台の反撃はこの1点で終わってしまう。83分にも失点するから1-5というスコアで負けてしまうのだが、戦う姿勢は9005人のサポーターに見せられたはずだ。5失点という結果にもかかわらず、スタジアムは最後まで強い一体感の応援を送り続けたのは、その証拠だ。

「“もう2度と負けない強化というところをしっかり押し進めて、これを今シーズン、ユアテックスタジアムで最後の負けにしよう”という話を選手としてきました」

 試合後、手倉森監督はこう話して、その大敗を胸に刻んだ。「このスタジアムでこれくらいの大敗は初めて経験」したとも話したが、改めて、「こうやって打ちのめされっぱなしでは我々もいけないので、今日の負けも本当にしっかり心に受け止めて、こんな負けが2度とないようにする」と顔を引き締めた。

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