■思いがけぬストイックなゲーム性

 自分にとって幸運だったのは、競馬&ダビスタ好きの友人が周りにいたことです。前作から遊んでいる彼に「厩舎」「入厩」「美浦」「栗東」といった基本的な競馬用語の読み方や意味、具体的な調教方法まで事細かにレクチャーしてもらいました。

 こうしてダビスタをどんどんやりこんでいくと、当然このゲームの面白さと奥深さに気づいてしまいます。その一番の理由は「インチキのできないゲーム性」。この全国版では、レースに負けたあと「セーブしたところからやり直し」なんてお手軽な攻略法が通じません(ターボファイルという外部記憶装置があれば可能でしたが、もちろん所持しておらず)。

 どれだけ大事に育てた愛馬であっても敗戦は甘んじて受け入れるしかなく、4歳(当時の馬齢表記)のときにしか出走できない日本ダービーなどのクラシックレースは、その馬にとって出走のチャンスは一生に一度きり。このストイックなゲーム性と、競馬の魅力に引きこまれていったのです。

 個人的には、ゲーム序盤のお金がないところから、いかにして牧場運営を軌道に乗せるかといったあたりにすごく面白みを感じました。前述の友人からは「とにかく種牡馬のスティールハートを毎年種つけしまくれ」という超具体的なアドバイスをゲット。これは効果絶大で、G1には勝てなくてもローカルの重賞レースあたりなら手の届くレベルの、スピードに秀でた産駒を毎年のように輩出してくれました。

手頃な種つけ料ながら超優秀な種牡馬
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