■グラフィックもサウンドも神がかった作品

 本作を最初に遊んだとき、まるで今のカーナビのような先進的なフィールドグラフィックが目を引きました。そしてもちろん、ファミコン時代から悪魔のグラフィックも大幅にパワーアップ。現在も活躍中の悪魔絵師・金子一魔こと金子一馬氏による悪魔のデザインは、保守的なところもあれば、大胆な独自解釈もあって驚かせてくれます。

 ちなみにサントラのブックレットによれば、金子氏は先にドット絵で悪魔を描き、それからイラストに起こしたとのこと。ドットを打つ金子氏の目には、私たちとは違った“何か”が見えていたのかもしれませんね……。

どこかスタイリッシュな金子一馬氏の悪魔デザイン

 また『真・女神転生』と言えば、もちろん増子司氏による素晴らしいサウンドも忘れられません。前作でも好評だったロックテイストの曲から、神や悪魔を扱う作品にふさわしい厳かで神秘的な雰囲気のある曲まで、今聴いても色あせることのない名曲ぞろいです。

 個人的にはダンジョンで聴ける曲の1つ「大使館」がお気に入り。『真・女神転生』のサントラには、ゲーム内で流れる「大使館」をアレンジしたバージョンもあって、こちらも情感豊かな仕上がりで素晴らしい。サントラを見かけたら、ぜひ聞いてもらいたい1曲です。

 今から28年前にスーパーファミコンで発売された『真・女神転生』は、さまざまなハードに移植され、現在はNintendo Switchでもダウンロードして遊ぶことができます。とはいえ、今は『真・女神転生III NOCTURNE HD REMASTER』で遊んでいる人が多いかもしれませんね。

 実のところ『真・女神転生』と『真・女神転生III NOCTURNE』ではゲームシステムや作品のテーマがかなり異なります。もし『ノクターン』をプレイして気に入ったなら、そのシリーズの元祖『真・女神転生』に触れてみるのはいかがでしょうか。くれぐれもその際は「アクマに肉体を乗っ取られぬようお気をつけて……」。

(ふたまん編集部)

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『真・女神転生』懐かしのゲーム画面