韓国・済州島に伝わる伝説をモチーフにした人気ウェブトゥーン原作のダークファンタジー『アイランド』。太古からはびこる“情炎鬼”退治の宿命を背負う半人半妖のバン(キム・ナムギル)、バンと古(いにしえ)からの縁でつながる財閥令嬢ウォン・ミホ(イ・ダヒ)、圧倒的除霊能力をもつ若き司祭ヨハン(チャウヌASTRO)。悲しき運命をもつ3人が、世界を滅亡から救うために戦う姿を描くアクション大作が、現在Prime Videoで好評配信中だ。

 本作で、セクシーかつ危険な香りを漂わせる主人公バンを演じ、鋭さと哀しみを湛えた瞳、華麗なアクションなど、圧倒的存在感で画面を支配しているのがキム・ナムギルだ。

『アイランド』韓国ポスター 画像出典:TVING

 キム・ナムギルは1981年3月13日生まれ。高校時代に演劇『リア王』を見て俳優を志し、劇団などで経験を積みながら、2003年MBC公採タレントとして芸能界に正式デビュー。イ・ハンという芸名で活動をはじめ、大ヒット作『がんばれ!クムスン』(2005年)では、ヒロインの亡き恋人役で出演している。

 本名のキム・ナムギルを名乗るようになった2008年映画『カン・チョルジュン 公共の敵1-1』以降、徐々に顔を売るようになり、2009年の大ヒットドラマ『善徳女王』のピダム役で大ブレイク。『赤と黒』(2010年)、『サメ〜愛の黙示録〜』(2013年)と、心の傷をもつ“悪い男”キャラクターを演じさせたら右にでる者はいないほどの存在に。

 その後、『医心伝心〜脈あり!恋あり?〜』(2017年)、『熱血司祭』(2019年)では、コミカルな役でも魅せることを証明。作品ごとに高い評価を受け、2022年のドラマ『悪の心を読む者たち』で、自身2度目のSBS演技大賞・大賞を受賞するなど、今、のりにのっている演技派トップ俳優のひとり。

 そんなキム・ナムギルの圧倒的カリスマと危険なフェロモンを堪能できるドラマ3作品を紹介する。

『アイランド』韓国ポスター 画像出典:TVING

■『アイランド』主演キム・ナムギル、お勧めの過去作ベスト3!

●『善徳女王』

 朝鮮半島初の女王・善徳女王ことトンマン王女(イ・ヨウォン)の波乱に満ちた生涯を、新羅の影の権力者・稀代の悪女ミシル(コ・ヒョンジョン)との攻防を中心に描き、最高視聴率49.9%を叩き出したスペクタクル歴史巨編。

 キム・ナムギルが演じたのは、無邪気な天使と残虐な悪魔が同居する男ピダム。母ミシルに生後まもなく捨てられ、新羅の精鋭部隊・花郎徒〈ファランド〉の頭に育てられたため、戦う術は習ったものの、愛を知らない。そんな孤独な剣の達人は、トンマンとの出会いにより愛を渇望するようになり……。

 彼女をそばで支える武将キム・ユシン(オム・テウン)を交えた三角関係はもちろん、めばえる野心や、実母かトンマンの選択、そして破滅への道と、すべてのシーンが見どころ。揺るぎない自信をたぎらせる姿にほれぼれし、気に食わない相手に見せる血も凍る残虐さに気圧され、トンマンを見つめる熱を帯びた目に釘付けになる。“危険な男”キム・ナムギルの名を世に知らしめた出世作。

『善徳女王』画像出典:MBC