かつて『流星花園花より男子~』で道明寺司を演じた“アジアの恋人ジェリー・イェンが、年下女性と恋に落ちるミステリアスな園芸家を大人の魅力たっぷりに演じた『夏花』。

 逞しい二の腕や頭に巻いたバンダナなど『流星花園』を彷彿とさせる場面がいっぱいで、官能的なラブシーンの相手役を務めたのは『ゼロ婚~恋はプロポーズのあとで~』の若手実力派女優シュー・ルオハン

 耽美な映像、こだわりの音楽、南国ムードあふれる海南島でのロケも見どころの本格的ラブストーリー『夏花』でシアオ・ハン役にどう挑んだか、ジェリー・イェンに話を聞いた。(インタビュー記事全2回のうち前編)

●ジェリー・イェンProfile

 1977年1月1日生まれ。モデルとして芸能界入りし、2000年に俳優デビュー、翌年日本の漫画『花より男子』が原作の『流星花園~花より男子~』で道明寺司を演じ、台湾はもとよりアジア中で大ブレイク。アイドルユニット『F4』の一員として歌手活動も始め一世を風靡した。代表作は医師を演じた『ザ・ホスピタル』、韓国ドラマをリメイクした『華麗なる遺産~燦爛人生~』、『星に誓う恋』『運命のキスをお願い!』など。2014年には日本映画『ルパン三世』にも出演。アリエル・リン共演の最新作『婚姻現場』も好評で若い世代を中心に再注目されている。

『夏花』(C)Shenzhen Tencent Computer Systems Company Limited

■“アジアの恋人”ジェリー・イェン『夏花』インタビュー

――『夏花』に出演を決めた理由は?

 脚本を読み始めてすぐに文芸的なロマンを感じさせる作風に引き込まれ、10話まで一気読みしました。花畑のシーンも感動的でしたし、大胆に愛する人を追いかけるホー・ランの性格も魅力的だったので物語の世界にはまってしまい、読みながら僕自身が恋愛をしているような気持ちになりました。

――シアオ・ハンはどんなキャラクターですか? 

 シアオ・ハンは世間と距離を置いていて、文芸気質でありながらもワイルドさを感じさせる男性です。情は深いのにそれを表には出さず、恋愛においては一途で責任感が強いですね。黙って尽くすタイプです。彼のキャラクター設定はここ数年で僕自身が経験したり悟ったりしたことと共通する部分があったので、すぐに役に入り込むことができました。しかも彼として生きているという実感があって、今でもまだシアオでいるような感覚です(笑)。

――シアオ・ハンのスタイルについてどう思いますか?

 シアオのスタイルは段階的にさまざまなステップが用意されていました。序盤は真夏の厭世的、文芸的かつワイルドなイメージでタンクトップ姿が多いです。四川省の川西にある実家に帰省する中盤では上品なスタイルに変わり、黒いタートルネックのニットやコートなど、比較的フォーマルで温かいイメージになります。

 そして終盤はまたデニム姿が増えて、髪型も衣装も全体的に香港風になります。常にスタッフと話し合いながら工夫を凝らしました。例えば12話で実家にいるシアオがランを出迎えるシーンでは、あえてややフォーマルなスタイルにしました。そうすることで彼にとって半年会えずにいた彼女がどんなに大切で恋しかったかということが表現できたと思います。

『夏花』(C)Shenzhen Tencent Computer Systems Company Limited
『夏花』(C)Shenzhen Tencent Computer Systems Company Limited