187cmの長身が生む抜群のスタイル、爽やかさと陰りの両面をもつ少女漫画的ビジュアルでありながら、素朴で自然体の魅力を放ち、“現実彼氏”の異名をもつナム・ジュヒョク。
これまでも、『二十五、二十一』『スタートアップ:夢の扉』『まぶしくて−私たちの耀く時間−』と、“平凡な青年”の青春を演じ、人気を得てきた彼が入隊前最後に残した作品『ヴィジランテ』が、ディズニープラス スターで独占配信中だ。
青春ロマンスの代名詞でもあった彼が、本作で挑んだのは、法を逃れ悪事を繰り返す犯罪者たちに私刑を下すダークヒーロー“ヴィジランテ”。笑顔封印、重くシリアスな姿に、観るのを躊躇しているとしたら、実にもったいない!
「若者のもがき、真っ直ぐな眼差し、純粋な心根がにじみ出た姿」が彼の魅力だと語ったのは、『スタートアップ』のオ・チュンフン監督だが、本作の主人公は、まさにその魅力が根底にあるキャラクターなのだ。
■ナム・ジュヒョクがダークヒーローに!『ヴィジランテ』の見どころは?
ナム・ジュヒョク扮する『ヴィジランテ』の主人公は、警察大学に通う“平凡”な学生キム・ジヨン。成績優秀、身体能力も高く、授業態度もいたって真面目。プロファイリングを教える教授のもとアプリ制作に関わるなど、将来を有望視される警官の卵だ。
遊びの誘いは乗らないが、大学には親しい友だちもいて、社会性に問題もない。だが、実は幼い頃に目の前で母親が理不尽に殴り殺されたトラウマをもち、犯罪には敏感だ。そして、母を殺した犯人が軽罪で社会復帰し暴行を繰り返す姿を見たことを機に、法の甘さから犯罪を繰り返す者たちを自らの手で断罪していくことを決意する。
だが、ここで収まらないのが本作の面白さだ。一連の犯行がすべて「罰せられて当然の常習犯をターゲットにしている」ことに気づいたTV記者チェ・ミリョ(キム・ソジン)により、ジヨンは「ヴィジランテ(自警団)」と名付けられ、ヒーローに祀り上げられていくのである。
意図せずヒーローに仕立て上げられたという意味では、時代劇の『イルジメ』にも近い。仮面こそ付けていないが、黒いパーカーのフードを深くかぶって現れるそのシルエットは、超クールで皆が憧れるのも納得。しかし、本作のヴィジランテは、「犯罪者には犯罪で罰する」とし、手段は暴力的なため、「正義か、犯罪か」という社会的論争が巻きおこる。加えて、模倣犯が多数生まれ、社会は大混乱。予想外の展開のなか、ジヨンは警察・マスコミ・ファンを名乗る模倣犯に追われていくことになっていく。