そんなオープニングトークののち、さっそく最初のコーナーに。抽選で選ばれたファンとドラマの名場面を再現する、題して<ソンジェのすべての時間>だ。が、会場が広すぎるため、選ばれたファンがステージにたどり着くまでの間、質問タイムに。

 新しく覚えた日本語は?という問いには、「アイタカッタデス」と回答。この「タカッタ」が言いづらいらしく、スムーズに言えるまで一生懸命「アイタカッタデス」を連呼していたのも、母性本能くすぐる可愛さだった。

「2024 Byeon Wooseok Asia Fanmeeting Tour <SUMMER LETTER>IN TOKYO」9/29公演から

 さらに、「前髪は下ろす・上げる、どちらが好きか」という質問には、「ヘアスタイルは着る服に合わせて決める」と、さすがモデル出身ならではの答えも。

 そんなウソクに司会から、ウォーキング姿を生で見たい!という無茶ぶりが。すると、日本語で「はい」とすんなり承諾し、「じゃあ、ここから出ていって、また戻ってきますね」とステージの動線を決めていくウソク。モデルスイッチが入ったのか、花道を颯爽と歩く姿があまりにも素敵で、客席のファンもうっとり。モデル役を演じたドラマ『青春の記録』の1シーンのようだった。

 そして、選ばれた3名のファンとともに、『ソンジェ~』の名場面を再現。居眠りをするソルの頭を手で支えてあげる場面、雪が降るなか、ソルにカイロを渡し傘を差し出す場面、雨に濡れるソンジェにソルが傘をさし出し、キャンディを渡す場面と、いずれもぱっと思い浮かぶほど名シーンで、会場も大盛り上がり。ソル役を演じるファンに、「ここに座って」などとリードしながらステージ上でソンジェを再現してくれた。

 このコーナー、面白かったのは、一緒に演じてくれたファンと記念写真を撮るくだり。ファンの携帯電話で撮ってあげるのが一般的だが、ウソクの場合、自分の携帯電話で撮影し、ファンは撮られっぱなし(ファンの手には渡らない)という新しいパターン。本人が満足げなので、ファンもスタッフも「あなたが幸せそうだからそれでいいよ」といった雰囲気のまま進行していくのが、なんとも微笑ましかった。

 ここでお着替えのため、一旦退場。ステージを去るときも、ちょっと小走りになるビョン・ウソク。

 マイクの持ち方や、拍手の仕方などもそうなのだが、仕草がたおやかで、愛らしい品がある。手脚がすらりと長く、ソファに座り脚を組む様は、とてつもなくカッコいい一方で、全身にまとうオーラはとても優しく柔らかな印象だった。

(後編に続く)

●ビョン・ウソク Profile

1991年10月31日生まれ。大学1年のときに家庭の事情から休学してモデル活動をスタート。軍服役後の2014年から本格的にファッションモデルとして活動し、名を知られるように。2016年、『ディア・マイ・フレンズ』でドラマデビュー。端役を経て、朝鮮時代のイケメン仲人集団の1人に扮した『コッパダン〜恋する仲人〜』(2019年)以降、主演クラスで活躍。主な作品に、『青春の記録』(2020年)、『花が咲けば、月を想い』(2021ー22年)、『力の強い女 カン・ナムスン』(2023年)、『ソンジェ背負って走れ』(2024年)、映画『20世紀のキミ』(2022年)など。