テキサス州北部にあるアマリロ動物園の防犯カメラに写り込んだ「未確認アマリロ物体（UAO）」。アマリロ市のHPより
■深夜の動物園に現れた「未確認アマリロ物体」
5月21日の深夜1時25分頃、「それ」はテキサス州アマリロ動物園のフェンス際に突如現れた。防犯カメラに映った姿は、こちらを振り返った人間のようにも見えるが上半身はフサフサの毛に覆われ、頭部も人間の者とは思われないフォルムだ。
６月8日に同州アマリロ市のホームページ上で「Help Solve an Amarillo Mystery（アマリロの謎を解く手掛かりを）」というタイトルで写真と記事を公開し、SNSで発信するとコメントが殺到。市が「未確認アマリロ物体（Unidentified Amarillo Object／略称UAO）」(注１）と名付けた「それ」の正体として、
注1／なお「Object」には「ヘンなやつ」という意味もあるとか。また個人的には「未確認物体アマリロ」のほうが往年の名作『未来世紀ブラジル』っぽい響きで好きなので、以降、こちらで統一します。どうでもいい話ですがｗ
「ビッグフット！ いやチュパカブラの可能性も……」
「酒瓶ぶら下げてヘンな帽子をかぶった全裸の変態男だ」
「ネイティブ・アメリカンの伝説に登場する精霊じゃないの」
「飛び跳ねたコヨーテだろ」
などなど、画像解析を交えてUMA好きから否定派まで議論百出。なかには「ジャック・スパロウの格好をしたジョニー・デップ」などという珍説（ネタ？）も飛び出し、「写真でひと言」の大喜利大会か、ちょっとした祭りと化しているという。
■アマリロの未確認生物＝ビッグフット説が飛び出すワケ
さて、UAOに対して真っ先に飛び出したのがビッグフット説だが、そこにはそれなりの理由があった。
北米を代表するこのUMA、イメージとしてはもっとカナダ寄りの北、あるいは北西部の森林地帯に生息している印象だが、実は、このテキサス州もビッグフット目撃事件の多発地帯なのだ。
ビッグフット目撃情報を収集している研究者団体「BFRO（THE BIGFOOT RESERCHERS ORGANIZATION）」のデータベースによれば、テキサス州は全米で７番目にビッグフットの目撃情報が多い場所なのだ。
しかも、アマリロがあるテキサス州北部に限っても、2000年代になってからも数件の目撃が報告されている。
ちなみに、すぐ東隣のオクラホマ州も毎年10月に「ホノビア・ビッグフット・フェスティバル」が開かれたり、昨年2月、州下院でビッグフット関連法が議題に挙げられたり、2億円を超える懸賞金が掛けられたりと何かとビッグフットの話題に事欠かないエリアだ。
