■ネイティブアメリカンの魔獣か伝説の「オザークの獣」なのか?
それ以外にも、この周辺に暮らしていたナバホ族に伝わる半獣半人の魔物「スキンウォーカー(ナバホ語でイーナルドゥーシ)」(注2)やアパッチ族に伝わる精霊のような山人「ガン(ガへとも)」など、ネイティブアメリカンの伝説に登場する怪物や超常的存在という説もある。
注2/ナバホ族の伝承によれば、獣の皮つまり「スキン」を被ることで、その獣を憑依させ超自然的な力を発揮する魔女(男性も含む)のことで、イメージとしては狼男に近いか。なお、他のネイティブアメリカンの伝承ではコヨーテに変じた半獣半人「コヨーテ男」のようなものも存在する。
ネイティブアメリカンの伝説以外にも、この周辺では様々な獣人、魔獣の伝承が残っている。
その中でも編集部が注目したのが、先に挙げた事件現場の東に隣接するオクラホマ州・オザーク山地に出没するUMA「オザークハウラー(直訳だと、オザークの吼える獣)」だ。
現地では「ナイトシェードベア(夜の闇に潜むクマ/意訳)」「フーフー」「デビルキャット(悪魔のネコ)」など呼び名が多数(クマなのかネコなのかはっきりして欲しい……)で、正体については山猫説やブラックベア説がある。
ただ、19世紀からある目撃証言をまとめると、体長2メートルクラスの真っ黒なクマのような生き物というのが大方の意見で、いずれにしても特徴的な2本の角があるという。
日本の読者の皆さんには馴染みのないUMAだが、現地のオクラホマ州から西隣のアーカンソー州(注3)にかけてのオザーク山地周辺では誰もが知る、いわば「おらが町の未確認生物」なのだ。
注3/正確を期すと、オザーク国立森林公園はアーカンソー州内にある
■UAO=オザークハウラー(オザークの獣)の状況証拠
なお、こんな動画もあるので参考までに見て欲しいが、2分30秒あたりで衝撃的なオザークハウラーの想像図が登場する。なんというか……「色違いでモンスターズインクのアイツじゃん!」と叫んでしまった。
こんな愛くるしいやつなら「おらが町の」と愛されるのもわかる。まぁ余談ですが。
ただ、正直なところ、角が生えているなどと言われるとUMAというより妖怪に近いものでは? とも思える。とはいえ、もう一度、冒頭のUAO(未確認物体アマリロw)の画像を見て欲しい。
不安定な感じの立ち姿(四足歩行の生き物が急に立ち上がったような……)、奇妙なフォルムの頭部(そう、まるで角があるような……)など、考えようによってはオザークハウラーもUAOの正体として、十分候補に挙げる状況証拠はあるように思えるのだ。
いずれにしても、アマリロ市からのさらなる情報公開を待ち、「未確認物体アマリロ」の正体が明かされることに期待したい。