■パンダは「生きる能力が低い」生き物?
さて、話は戻るが、パンダは実に奇妙な動物だ。クマは前足で物を掴むことができないが、パンダは竹を掴むことができるように骨が特殊に進化し、600万年前から竹を食べてきた。1日の大半(平均14時間)を竹を食べることに費やすが、消化器官はクマやアザラシなど他の肉食動物に似て、蝶や盲腸が草食動物としては短いため植物の消化に適しておらず、栄養摂取の効率は低い。
群れや家族を形成せず、基本的に単独で行動する。白と黒の見た目は「保護色」という説もあれば「単独行動が維持できるように近すぎる距離での遭遇を回避するのに役立っている」という説もある。
繁殖期は年に一度、3月から5月の間でメスの受胎が可能な期間は僅か数日。1度の出産で生まれるのは1~2頭で、繁殖能力はかなり低い。また、オスとメスのペアリングが極めて難しく、大量に飼育されている中国の施設で相性を見てカップルを作る形でないと繁殖は難しい。
日本の和歌山県にあるアドベンチャーワールドは2018年までに17頭の繁殖実績があり、これは中国本土を除けば世界最大の成果だが、これは、2匹のメスとの間に19年間で16頭の子供を全て自然交配で作ったオスの永明(現在30歳)の力によるところが大きい。
YouTubeチャンネル「アドベンチャーワールド公式」より