■なんと2京匹!生息数から言えば地球の真の支配者はアリだった!?

“アリ”といえば、「蟻(あり)の穴から堤も崩れる」「蟻の這い出る隙もない」といったことわざもあるように、小さい昆虫の代名詞的存在。日常的に目にする存在だが、取るに足らない小さな虫たち……そんな常識をくつがえす研究結果が発表された。

 9月19日、香港大学などの研究チームが、「地球上に生息するアリの総数は2京匹」という分析結果を米国科学アカデミー紀要に発表した。

 いきなり「2京」と言われてもピンとこないが、「京=1兆×1万」。途方もない数字だということが理解できる。また、炭素に換算した場合の総重量は1200万トンで、野生の哺乳動物と鳥類の合計を超え、人類の約20%に相当する。

 この研究チームは世界各地のアリの生息状況に関する489件の研究論文からデータを集め、その数を推定。従来は1000兆から1京匹と推定されていたが、その2倍から20倍のアリが存在する、と発表されたのだ。

 我々人間は地球を支配している生き物の頂点、と調子に乗っているが、地球を支配しているのはアリだった……。1ヘクタールあたり、年間13トンの土を移動させ、土壌の影響循環は植物の種の散布に役立っている。地球の生態系の維持に欠かせない生き物なのだ。