■ギネス記録に残る世界最大のワニ「ロロン」

 現在、地球上に23種が分布し、淡水および一部の海域に生息するワニ。なかでも最大級の大きさを誇るのはイリエワニで、平均的な体長は4メートル。インド南東部、ベトナム、パプアニューギニア、オーストラリアなどに生息する。日本人にとっては“どこか遠い国の生き物”という印象があるが、日本でも奄美大島、西表島、八丈島などで発見例がある。

 世界最大のイリエワニがギネス記録に認定されたのは、日本とも縁の深いフィリピン。2011年9月にフィリピンのブナワン地区で捕獲され、ブナワン・エコパーク研究センターに保護された。

 その体長は6メートル17センチで、体重は1075キロ。捕獲までに3週間が費やされ、100人以上で陸上へ運ばれた。その巨大ワニはロロン(Lolong)と名付けられ、その地域で消えた漁師と、12歳の少女を食べたと推測された。

ロロンが捕獲された際の映像

 ロロンは一般公開され、その飼育費は寄付や観光客の入場料、駐車料金で賄われたが、2013年2月に死亡。死因は肺炎と心停止だった。

 現在、ロロンの遺体は剥製にされ、フィリピン国立博物館に展示されている。

 さらに、その存在が「神話」になっている巨大なワニが今も現存している。