■EXILEの総本山の近くに最強のエクソシストが眠っている!?
「都心の一等地に日本最強のエクソシストを祀る寺がある」と言ったら、「新年早々、何を寝惚けたことを言っているんだ?」と怪訝に思う読者も少なくないだろう。しかし、これ事実なんですよ。
その最強エクソシストが眠るのは、渋谷から東急東横線で5分ほど。EXILEをはじめ多数のアーティストが所属するLDHの本社がそびえ、多くの芸能人が道行く中目黒のすぐ隣り、祐天寺(ゆうてんじ)にあるお寺だ。というか、お寺自体が祐天寺で、その門前町だから町や駅の名前が祐天寺ということ(若干、ややこしいw)。
■お寺の由来は徳川将軍も認めた悪霊祓い師
祐天寺駅から南へ都心とは思えないのどかな商店街を抜け、駒沢通りを左折。目黒高校の脇をすぎれば左に広大な敷地の寺院と大きな山門が見えてくる(ちなみに途中の団子屋さんのたけのこご飯のおむすびが絶品なので初詣の方はぜひどうぞ)。
実は、この祐天寺という名前自体が徳川綱吉から吉宗にかけて歴代将軍も崇拝した「日本最強のエクソシスト(悪霊祓い師)」である祐天上人に由来するもの。浄土宗の寺院なので当然、本尊は阿弥陀如来なのだが、もうひとつ祐天上人の木像も本尊として祀られている(なおお墓自体は隣りの墓地にあります)。
徳川家の菩提寺である芝・増上寺の第36代大僧正も務めた高僧で、徳川吉宗が「真の僧侶は祐天上人だけ!」と各所が炎上しそうな賛辞を贈った祐天上人。その高僧がなぜ「日本最強のエクソシスト」と呼ばれるのか?実は、境内に数々のヒントが隠されている。
■これでもかと霊能パワーをアピール?
……というか、隠すどころから全面に打ち出している(笑)。本堂の脇には「祐天上人の悪霊退治(正確には成仏させる)」のシーンが描かれた畳10畳ぐらいの巨大な絵が飾られ、また祐天上人が成仏させた怨霊・累(かさね)を祀る供養塔「累塚(かさねづか)」まである。
もう、なんというか「どうです!? うちのビッグボス(祐天上人)すごいでしょ!!」とアピールしまくりなのだ。まぁ、それだけ享保3年(1718)と伝わる創建当時から「祐天上人=最強の霊能者=ご利益あり」と考える人が多かったのだろう。
ちなみに、境内の「累塚」にはNHKから超ビッグネームの歌舞伎役者、江戸から続く浄瑠璃の家元まで、錚々たる面々が塔婆を供えている。俗に「累物」と呼ばれる演題を上演する時はこちらにお参りするようだ。この点、「四谷怪談を上演する時はお参りしないと……」と恐れ崇められたお岩さんと相通ずるものがある。