■日本で「プロダクト・プレイスメント」が使われた例も!
では、日本ではどう使われたかというと、定番なのが、ゴジラ映画やウルトラマンなど特撮映画で街が破壊されるシーンに、ちらりと実在する協賛企業の看板が映りこんだりするパターン。
また、23年3月まで放送していたアニメ「とんでもスキルで異世界放浪メシ」は、ネットスーパーで取り寄せた食材でファンタジー世界を生き抜くという、まさにとんでも設定の作品(原作はラノベ+コミカライズ)。この作品で登場したエバラ食品の生姜焼きのたれなどが売り切れになるなど、ネットニュースを騒がせたのは記憶に新しいところだ。
そして、日本で最もプロダクト・プレイスメントが成功した例といえば、ホイチョイ・プロダクションがバブル期に制作した映画3部作『私をスキーに連れてって』『彼女が水着に着替えたら』『波の数だけ抱きしめて』だ。これらの作品では、プロダクト・プレイスメントが大々的に使用され、商品の売上増に貢献しただけでなく、レジャー産業全体に大ブームを巻き起こした。
■レイバンにApple、アディダスまで
1997年公開の映画『メン・イン・ブラック』で使用されたレイバンのサングラス「プレデター2」は映画のヒットにより売り上げが3倍になった。
Apple社製のコンピューターの世界シェアは7.9%だが、大ヒットしたテレビドラマシリーズ『24 -TWENTY FOUR-』では、テロ対策ユニットでApple社製のコンピューターが使われている。その他、ミュージックビデオなどにもApple社製のコンピューターは多く登場するが、Apple社はこれらに広告費を払っていることを認めていない。
ラップやヒップホップの世界で、歌詞やミュージックビデオにはかなりの分量のプロダクト・プレイスメントが入っている。1986年にリリースされたRUN-DMCのヒット曲『My Adidas』から始まり、有名ラッパーがブランド名を連呼したり、効果なジュエリーをフレックス(自慢)したり、高級な酒を飲むシーンには、プロダクトプレイスメントが入っているケースがあるのだ。