■外気温マイナス40度は日常!過酷なサハ共和国の暮らし

 

 冬は外気温があまりに低いため、100度の沸騰したお湯は外気に触れると、あっという間に氷に変わり、金属製のメガネは皮膚に張り付いてしまうため、使用することができない。濡れたタオルはあっという間にカチカチの板状になってしまう。

 もちろん、「モービル1」のCMのように、バナナやリンゴは釘が打てるほど硬く凍ってしまう。地下は深くまで凍っているため、ガス管は地上に設置されている。住民の大半はヤクート人(彼らは「サハ人」と自称)というトルコ系の民族で、どことなく日本人と似た風貌をもっている。またスターリンの時代、数多くの政治犯がこの地に送られ、流刑地として使われていたため、現在もその子孫がヤクーツクで暮らしている。

■寒すぎて農業ができず食料のほとんどは輸入!

 その寒さゆえ、農業はできず、野菜や果物は全て輸入品で、主食は凍った状態で販売されている肉や魚。

 携帯電話はまともに機能せず、生活に必須の車はエンジンを止めてしまうと、エンジンオイルが凍って動かなくなってしまうため、住民は1日中車のエンジンをかけっぱなしにしている。そのため、街は常に排気ガスで曇っている。全住民は「モービル1」を使うべきかもしれない、

 肌が外気に15分触れると凍傷になる可能性があり、車が故障して30分以上経過すると、命に危険が迫る。世界中、どこの街にもいる猫は、環境が過酷なため生きられない。

 建物は永久凍土にコンクリートの柱を埋め込み、その上に建てられるが、古い家屋は10年くらいで傾いてしまう。