■「なぜ巨大化した?」はいまだ謎のまま……
た・だ・し……正直なところ、恐竜の骨が中空だったり、気嚢があったりすることは、恐竜が“なぜ”巨大化したのか? という理由にはなっていない。
そう、まだ“最大のミステリー“が残っている。つまり、恐竜が巨大化できる「仕組み」はわかったが、なぜ巨大化したかという「目的」はわからないままなのだ。
恐竜巨大化の理由には、他にも古代の大気に酸素が高濃度で含まれていたために成長が促進されたという説や爬虫類のように成長に終わりがない説などいくつも上がっている。
また恐竜のような巨大生物が現代にいないのは、大絶滅の後にすべての生物が小型化することで環境変化を生き延びる「リリパット効果」が起きたためだという学者もいる。6600万年前の隕石の衝突で核の冬が起こり、地球は氷結した。
哺乳類(ほにゅうるい)は元々小型化していたので影響が少なく、恐竜に変わって地上で繫栄し、環境が戻るとともに大型化する。爬虫類は現在の爬虫類サイズまで小さくなって生き残り、恐竜はほとんどが小型化に失敗、わすかに残った種が鳥類として生き残った。ちなみに昆虫もリリパット効果で小型化したとされている。
■「もし重力が小さかったら?」という想像から理科は始まる
大陸移動説が50年近くも忘れ去られていたように、将来、地球膨張説が再評価されることがないとは言えない。そもそも、重力の正体も実はよくわかっていないのだ。
異端の学説をトンデモだと笑い、「ない」と断定することは簡単だ。しかし、小馬鹿にすると恥をかく。
戦前のことだが、ある有名な物理学者は、「ロケットは宇宙では飛ばない。なぜなら、真空の宇宙では作用反作用が成立しないから」という論文を書いた。論文が大間違いだったのは、ロケットが宇宙を飛びまくっていることでわかる(注1)。
注1/実際は、ロケットが燃料を噴射するので、燃料とロケットの間に作用反作用が成り立つ
少し頭を柔らかくして、重力が小さいために恐竜が大きくなった地球を想像する。今の地球と何が違うだろう。1日は同じ24時間だろうか? 空気は今と同じだろうか。
どうすれば重力は小さくなるのだろう。重力は質量で決まる? そもそもだけど重力って何? ──そう、そこから理科の思考が始まるのだ。