■いざ、ユタと対面!意外に(?)優しそう

そのユタはコザ(沖縄市)のなんの変哲もない住宅街に暮らしていた (写真はイメージ)画像:写真AC

 翌日、コザに到着した私はユタの占いへと向かった。周りは民家ばかりの住宅街で場所が分からない。電話して道を聞こうとすると、呼び出し音が鳴っている最中に民家から1人の女性が出てきて手を振っている。年齢は50代半ばくらいだろうか。ニコニコとした優しそうなユタだ。

 

「こんにちは〜。すごく細くて若いね~。電話の感じだと、もっと太った人だと思っていました!」

 

 私、電話でそんなに悲壮感出てました?

 

 占いは自宅で行っているようだ。まずは簡単にいま、悩んでいることを話し、その後、手相を見せることになった。

 

「あなたは結構、秘密主義で自分のことをあまり話さないでしょ。占いは統計学だからね〜。手相を見せるときに手を内側に丸める人はそういう傾向があるさ~」

 

 ……当たっている⁉ そう、私は自分のことをあまり人に話すタイプではない。友人や周りの人間に相談をすることもしない。

 

 だが、これを聞いた瞬間「このユタは信頼できそう」と確信した。正直言うと、私は占いをあまり信じていない。今まで何度か付き合いで行ったことはあるが、結局、人の話を引き出しそれっぽいことを言っているとしか思えないのだ。「占いは統計学」とハッキリ言ってくる占い師は信用できそうだ。

 

■「トラブルを直前で回避する相があるね~」

なんでも、霊的なパワーの持ち主に現れる「神秘十字線」があるんだとか

(写真はイメージ) 画像:写真AC

 他にはこんなことも言われた。

 

「手相に神秘十字線があるね〜。神秘十字線はユタにもある人は多いよ〜。霊感があるかもしれないね」

 

 ……霊感⁉ それは一切、ないと思います。もし霊感があったら、この連載でも怖い話を簡単に書くことができる。毎回、ゲロ吐きそうな思いでネタを絞り出す必要もないだろう。だが、霊感というのは「霊が視えるだけではない」とユタは言う。

 

「霊が視えなくても神秘十字線があると、直感で危機的状況を乗り越えられることがあるよ。たとえば、トラブルを間一髪で逃れるとか……」

 

 ……それには思い当たる節がある。昔から旅行や出張に行くと、ギリギリ台風と被らない。東京から関西に新幹線で帰った翌日、『新幹線のシステムトラブルで1万人以上に足止め』ということもあった。また、別のときには山手線で品川へ行き新幹線で帰った次の日、山手線沿いで火災が発生し全線運転見合わせとなったこともある。

 

 他にもあるが、人的被害のあった事件や事故もあるので書かないでおこう。このように、ほんのひと足遅れていたら危なかった……と、間一髪で逃れた経験が何度かあるのだ。

 

■そして、ユタから衝撃の一言が……

 最後に肝心の件、ここのところ降りかかってくる不運や不調の原因。何か憑いているんじゃないか、何か憑いているなら祓ってもらえないかと、ユタに聞いてみた。

 

「あの~……私、お祓いをしてほしいのですが……」

 

「何も憑いてないから祓う必要ないね~!」

 

 ……憑いてない? じゃあ、金欠なのもボートに勝てないのは……単にギャンブルの才能がなくて金遣いが荒いだけってこと? 

 

「今の仕事も悪くないし、来年はもっと仕事も増えるのが視えるさ〜! もし、運気が悪いな〜と思ったら、体を手で払うといいさ〜。後、塩を小さい袋に入れて持ち歩くといいさ。沖縄の塩でサラサラしていない塩ね~」

 

 他にも、ユタは開運方法を色々教えてくれた。「仕事をするときは前髪をピンで止めてオンとオフを切り替える」「ネイルは少し薄紫色のものを入れるといい」など、すぐに実践できそうなものばかりだった。

 

 電話では60分を勧められたが、「何も悪い気が視えない」と言われたため30分で終了した。料金は3000円ぽっきりと良心的! てか、私の悩みってめちゃくちゃしょうもないものだったな……。

 

■ユタのアドバイスに従ってG1的中!!

筆者がユタのアドバイスに従い的中させたG1レースの証拠画像。

 その帰り、ユタに言われた通り、スーパーで沖縄の塩を買ってみた。ただ、バッグに入れていただけなのだが……なんとその日、ボートレースで的中したのだ。

 

 ボートレースをやったことのある人であればご存知だと思うが、舟券を的中させることは容易いことではない。私は前日とレース初日に3回舟券を購入したが、全滅だった。ましてや今回買ったのはG1レース。G1レースの優勝戦は人気なのでオッズが低くなるため、絞って買わないとトリガミ(注1)になることもある。

注1/的中したのにオッズや購入点数のせいでマイナス収支になること。

 

 今回、購入したのは3連単8点。3連単の組み合わせは120通りなので8/120の確率ということだ。なお、カワノの知り合いは11点2万円分購入していたが外れてしまった。

 

■ユタを信じるも信じないもアナタ次第?

 今回、取材を通して感じたことは、ユタは沖縄の人に昔から深い部分で根付いているということがわかった。もちろん、なかにはユタやユタにハマる人に対して否定的な意見もあった。

 

 ただ、私としてはユタに話しを聞いてもらったことで身も心も軽くなったような気がする。ユタとただゆんたく(沖縄の方言でおしゃべり)するだけでも心の拠り所として捉える人も多いのではないのだろうか。

 

 私としては舟券が的中したので、今のところ「ユタパワーすげぇえええ!」と感じている(笑)。なので、ユタを信じるのも信じないのも自分次第だろう。気になる人は、実際に沖縄に会いに行ってみてはいかがだろうか?