パンダといえば、愛らしいルックスで世界中で大人気の生き物。「世界三大珍獣」のひとつにも数えられるが、その生態はなんとも謎だらけ。なかでも奇妙なポイントを、電脳奇談厳選の「パンダ七不思議」としてお伝えしよう。

【不思議1】白黒の模様には意味がない?

目と耳、肩から前脚、それに後ろ脚と尾にかけての黒い模様の理由もいまだに謎。

画像:Columbus Metropolitan Library, Public domain, via Wikimedia Commons

 パンダが暮らすのは中国の四川省、甘粛(かんしゅく)省、陝西(せんせい)省のごく一部の地域にある竹が生えた森林地帯で、しかも標高1200~3500メートルで1年の大部分が雪に覆われたエリア。そのため、白と黒の特徴的な毛皮のカラーリングは、カモフラージュだと考えられている(注1)

注1/その他、敵を威嚇するためという説や体温調整のためという説もある。

 

 もともとはユキヒョウやキンイロジャッカルなど、同じエリアに棲息する天敵から生き残るために進化したと考えられていた。しかし、現在、パンダには天敵となる動物はほとんどおらず(むしろ、パンダより絶滅の危機に瀕している)、竹が主食のため、餌を捕まえるために身を隠す必要もない。あの白黒の特徴的な毛皮、キュートなルックスには、なんの意味もないのだ。

 

【不思議2】逆立ちでおしっこをする

 

YouTube:Xinhua Japaneseの動画より

 

 野生のパンダは単独で行動し、自らの縄張りを主張するため、おしっこでマーキングをする。より高い位置に自分のおしっこの臭いをつけるため、後ろ足をあげて逆立ちでマーキングする姿が、2019年に撮影されたことで、この特徴が知られるようになった。

 

 また、他のオスへ縄張りを主張するのと同時に、メスへのアピールも兼ねているため、特に発情期にはこうした「逆立ちマーキング」が増えるという。恋の季節になると盛ったオスが一斉に逆立ちを始める──なんともほほえましいエピソードだ(当人は必死なんだろうけどw)

 

【不思議3】1日100回以上「う〇こ」をする

1日に20キロ以上の竹を食うパンダ。そのう〇こともなれば……

画像:Public Domain via WikimediaCommons

 ジャイアントパンダは食肉目クマ科に分類される、れっきとしたクマの仲間。もともとは小動物や昆虫を食べる肉食性だったが、現在の主食は竹やササ。そのため、消化器がクマのままで植物の消化に適しておらず、固い竹の繊維をうまく消化できない。

 

 動物性のエサに比べ、竹は栄養価が低く、それを量で補うため、1日の大半を竹を食べることに費やしている。そのため、1日に100回、15分おきにう〇こをするという。つまり、野生のパンダは「食う」か「出す」かで1日の大半を過ごしているというわけだ。

 

【不思議4】繁殖能力が低すぎる

じゃれ合うことは多くても、恋愛には進まないんですねパンダって……。

画像:Love Krittaya, Public domain, via Wikimedia Commons

 パンダは4歳〜8歳で性的に成熟し、20歳前後まで繁殖する。しかし1年のうちでメスの発情期間は非常に短く、妊娠可能な期間はわずか2〜3日だけ。さらにメスはオスの好みが激しく、気に入らない相手に交尾を迫られても抵抗することが多い。

 

 子供は非常に小さく生まれ、平均体重はわずか100グラムで、成獣の約900分の1。しかも、双子が生まれると、母親は1頭しか世話をしない。パンダの生息数が推定1864頭と少ないのは、繁殖能力の低さも原因のひとつなのだ。

 

 だからこそ、「パンダの赤ちゃん誕生」が世界的なニュースになるというもの。栄養価の低い竹を1日中食べ続け、他の動物と比べて極端に繁殖能力が低く、「単に可愛いだけ」の生き物・パンダ。人間が思わず愛でてしまう、あのルックスでなければ、とっくに絶滅していた可能性は高いだろう。