2024年3月20日、日本のスポーツ界に衝撃が走った。ロサンゼルス・ドジャースに移籍したばかりの大谷翔平選手の通訳を務めたことで知られた水原一平氏が、違法賭博に関与したと報道され、ドジャースを解雇されたのだ。

 

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スポーツ賭博
水原氏が280億円を溶かしたスポーツ賭博は、アメリカではかなりメジャーなギャンブルだ(写真はイメージ)。 画像:Shutterstock

 ギャンブルで多額の負債を抱えていた水原氏は大谷選手の口座から金を盗み、少なくとも450万ドル(約6億8000万円)をブックメーカーに送金した、とされているが、水原氏が賭博で獲得した勝ち金額は総額1億4225万6769ドル(約218億円)で、負け金額は1億8293万5206ドル(約280億円)、損失額は4067万8436ドル(約62億円)だと報道されている。

 

カジノ

日本各地でもカジノ構想が進んでいるが、依存症対策はまだ道半ばだ。

画像:Raul654,CC3.0,via Wikimedia Commons

 ギャンブル依存症は現在、精神疾患のひとつに分類される病気のひとつだが、過去にはかなりの金額をギャンブルで失ってしまった日本人がいる。

 

 2011年11月、大王製紙の創業家3代目で、社長を務めた井川意高(いかわもとたか)氏が、子会社などから大金を個人的に借り入れたことが発覚。大王製紙から告発され、逮捕・収監された。井川氏はカジノで巨額の借金を作り、返済とさらなる賭け金のため、約106億円を借入れていたとされる。

 

 ちなみに衆議院議員を7期務めた政治家浜田幸一氏は、1973年にラスベガスのカジノで4億6000万円も負けてしまったことで知られる。さらに、過去にはギャンブラーとして彼ら以上に世界で有名になった日本人が存在した。

 

■ドナルド・トランプに12億円負けた日本人

トランプ・プラザ・ホテル&カジノ

トランプVS柏木氏、伝説の勝負の舞台となったトランプ・プラザ・ホテル&カジノ。

画像:Ron Miguel, CC BY 2.0 , via Wikimedia Commons

 山梨県富士吉田市で不動産業・貸金業を営んでいた柏木昭男氏は、日本がバブル景気に沸いていた1980年代にカジノに通い始めた。柏木氏の名が世界のカジノ業界で一躍知れ渡ったのは1990年1月、オーストラリアのダーウィンにあるカジノだった。なんと柏木氏はバカラで一夜にして約29億円を稼ぎ出したのだ。

 

 なお、マーティン・スコセッシが監督した映画「カジノ」(主演:ロバート・デニーロ)に登場する日本人ギャンブラー、K・K・イチカワは柏木氏がモデルだと言われている。

 

 大金を賭ける「ハイローラー」または「ホエール(鯨)」の一人として世界的に知られた柏木氏は、1990年2月にドナルド・トランプから、”カジノの街”アトランティックシティで彼が経営する「トランプ・プラザ・ホテル&カジノ」に招かれた。

 

ドナルド・トランプ

柏木氏を破るため一流の数学者まで雇ったというドナルド・トランプ。

画像:Gage Skidmore from Peoria, AZ, United States of America, CC BY-SA 2.0 , via Wikimedia Commons

 トランプから1回の最低掛け金が3000万~3500万といわれる超高額レートのバカラで勝負を挑まれた柏木氏だったが、なんと600万ドル(約9億1000万円)もの大勝をおさめた。これにより、トランプ・プラザ・ホテル&カジノは資金難に陥ってしまったという。だが同年5月、トランプから再戦を挑まれた柏木は、再度バカラで勝負し1000万ドル(約12億円)を失ってしまった。

 

 トランプへの雪辱を期していた柏木氏だったが、トランプ敗戦から1年半後の1992年1月3日、悲劇的な最期を迎える。山梨県河口湖町(現・富士河口湖町)の敷地面積400坪、総けやき造りで時価50億円(推定)、「柏木御殿」と呼ばれた絢爛豪華な自宅の台所で、何者かに殺害された姿で発見されたのだ。

 

 亡くなった時点でギャンブルによる借金の総額は900万ドル(約13億6500万円)に達していたとも推測され、「カジノの負債の取り立てが原因では?」などと噂されたが、犯人は見つからずに2007年1月、事件は時効になった。