■個性溢れる人気怪談師が次々と…
「怪談トーク・バラエティ」と銘打たれた第一部は、個性的な人気怪談師3人が登場した。
まずは、沖縄出身、ユタの血を引く“視える怪談師”ヤースーさん。少年時代を描いた漫画『ぼくとおば~のフシギな話』がハートウォームな怪談で人気だが、今日は黒ニットキャップに黒シャツで決めた衣装で、島田MCから登壇早々「映画で最初にやられるギャング?」とイジられていた。
衣装といえば、お次に登場のハニトラ梅木さんは、もちろん特製の「墓人間スーツ(?)」で今日も登場。墓でほとんど隠れているのに、首まできっちりメイクし、髪もセットしているのをイジられ、
「(この墓を)脱いだ時のことを考えてセットしてるんですよ!」
と答えていた梅木さんだが、これが壮大なネタフリになっていたとは……。
■北は岩手、南は熊本から来た怪談ファンも
そして最後は呪物・怪談蒐集家としてもさることながら、トリッキーなキャラも人気の田中俊行さん。本日も登壇早々、満面の笑みでピクトグラムのような謎ポーズを連発。思わず梅木さんから「サイレント(無言)でやるなw」とツッコミが入っていた。
演者3人それぞれ、フリ―ダムすぎる登場に島田MCが「どんな3人なんだよ~」と笑いながら悲鳴をあげていたが、さて、どんなトークが展開されるのか?
遠く岩手や熊本から来た熱烈な怪談ファンがいる一方で、なんと客席の大半が「怪談イベントは初めて」というお客さんだとわかり、「じゃあ、怪談を頑張って見せないと」(島田MC)と、トップバッターを任されたのはヤースーさんだった。
■さすが!笑いと怪談で緩急付けたトーク
沖縄の米軍基地にあるバーでバーテンダーのバイトをしていた時に体験した、ある種の「忌み地」にまつわる怪談を披露。さらにフリートークでヤースーさんが視える「黒いもや」の話題を交えつつ、「黒いもやといえば……」とハニトラ梅木さんの後輩が住んでいた、都内某所の事故物件にまつわる怪談へと……。
ゾゾっと寒気がするような怪談と、楽屋トークのような笑いを交えたリラックスした空気感。恐怖と笑いの緩急ついたトークショーは、さすが実力派怪談師4人。怪談から怪談へとスムーズに繋げていくところは、まるで腕利きミュージシャンのジャムセッションのようだ。
ただ、ここで野外ステージならではのハプニングも。梅木さんの事故物件怪談が佳境を迎えたところで「キ~ンコ~ン、カ~ンコ~ン♪」とチャイムが響いてきた! 壇上全員、苦笑しながらも、
「その部屋から、ただチャイムの音だけが聞こえてきたんですよ……」
とアドリブを入れて、客席をどっと沸かせた梅木さんだったが、さらなるハプニングが彼を襲うことになったのだ──。
■フリ―ダムすぎる「よくないトシ」の犠牲者が!?
MCの島田さんはじめ、梅木さんのアドリブにツッコミを入れていたところ、後ろから忍び寄った田中俊行さんの手が「墓スーツ」に! 「あ~~!」と会場中に悲鳴と大爆笑が上がる中、ステージ上に転げながら墓人間の被り物を脱がされてしまった梅木さん。
「もう、こんな怪談イベントある~???」
「よくないトシが出てるよおおお!」
とぼやく梅木さんの後ろで、“実行犯“の田中さんといえば、澄ました顔で墓スーツを被り「墓人間2号(?)」としてチョコンと座っていた──本日も自由すぎる田中俊行の真骨頂が見られた瞬間だ。ただ、梅木さんの叫ぶとおり前代未聞のハプニングだが、客席もステージもここでさらにギアが上がったので、これはこれで大正解。
チャイム事件(?)で中断したものの、ステージ上の4人もノッてきてMCの島田さんまで新宿某所で起きた「霊道」が絡むとっておきの怪異の話を披露。怪談が怪談を呼ぶ心地よいグルーブ感で会場の聴衆もグイグイ引き込まれていく。
第一部のトリを務める田中さんは、さっきまでの暴走ぶりとは一転、オーソドックスな実話怪談ノリでタクシードライバーから蒐集した、不可解極まる怪談を披露。その後も「〇〇といえば……」「あ、その話ならボクも……」など次から次へと“怪談ジャムセッション”は時間いっぱいまで続いた。