■ロシアが誇る珍兵器とは?

 

長さ900メートル越えの巨大ラグビーボールで街を圧し潰す『オーボエ』。面白いが実用化できなかった 画像:Wikipedia

 アメリカなど西側諸国は情報公開が進んでいるので、こうした間抜けな軍事研究がおおやけになりやすい。ロシアのような東側もいろいろ作っているのだろうが、実態はよくわからない。

 

 公開された数少ない兵器のうち、旧ソ連時代の第一次世界戦中に考案された対要塞破壊兵器オーボエは出色の出来だ。ラグビーボールのような形をした幅960メートル、高さ605メートルの金属の塊で、内部に回転させるためのエンジンを積んでいる。

 

 この巨大なボールはゴロゴロ転がって町を踏み潰す。アニメ「進撃の巨人」で、巨人が町を踏み潰したような感じだ。もちろん実用化することはなく、あくまで机上のプランだ。

 

 ロシア(旧ソ連)と言えば、共産主義の唯物論、この世に神はなく物理法則で生命は生まれたと信じているわけだが、なぜかヘンな与太話が出てくる。しかも、次に紹介するのは21世紀、ほんの10年ほど前の話だ──。

 

■「猛毒タコ怪獣」を兵器に!

 

南極の氷床下で見つかった謎の生命体46-B(YouTubeより)

 

 2012年、ロシアは南極で調査していた地底湖ボストーク湖で、新種の生物を発見したという。南極大陸の氷床下3769メートルにあるボストーク湖には熱水噴出孔があり、地熱により水温はマイナス3度。湖水には通常の海水の10~20倍の高濃度の酸素が含まれ、独自の生物が進化しているという。

 

 そこでロシアの調査隊が遭遇したのが謎の生命体46-B。タコに似た多足生物で、全長は10メートル、14本の足を持ち、鋭いくちばしがあるという。体液は毒性で、調査隊のメンバーのひとりは46-Bに襲われ、毒でマヒしているあいだに食われたのだそうだ。

 

 46-Bと戦闘状態になった調査隊は足の一本を切り落とすことに成功するが、夜になり、キャンプ地で足から46-Bが再生、調査員を絞め殺した。結局、3人の死者を出した調査隊は軍に46-Bの存在を報告。ロシア軍ではこの謎の生命体を生体兵器として利用する研究をスタートしたという。

 

 この話は同調査隊に同行し、のちにスイスに亡命したアントン・パダルカ博士によって公表された。もし万が一でも本当なら、いずれウクライナ軍はタコ怪獣に攻撃されるかもしれない。

 

 信じようと信じまいと……の世界で、エドワード・スノーデン「地底人の話」と同レベルではある。