次々と大ヒット作が生まれる韓国エンタメ界。今度は、Netflixランキング1位で話題沸騰の韓国ドラマ今、私たちの学校は…』が、世界中に“Kゾンビ”という“ジャンルもの”ブームを巻き起こしている。このKゾンビはいつから韓国で盛んになって、世界的に人気なコンテンツにまで成長したのだろうか。

 韓国と日本の両国で映像関係の仕事に長年携わる、コンテンツ・プロデューサーの尹勝鏞(ユン・スンヨン)氏はこう語る。

「韓国でゾンビものを本格的にメジャーにした作品は、やはりヨン・サンホ監督、コン・ユ主演の『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016年)です。韓国で大ヒットして、日本を含む世界中でも話題になり、出演したチェ・ウシクマ・ドンソクも一躍人気俳優となりました。

 この映画『新感染』の大成功のあと、Netflixで配信されたドラマ『キングダム』シリーズ(2019年)が、Kゾンビの世界観を確立、定着させたと言えるでしょう。2020年には、人気俳優のカン・ドンウォンを主人公に迎えた『新感染』シリーズの続編『新感染半島 ファイナル・ステージ』(2020年)も製作されました。

『新感染 ファイナル・エクスプレス』はハリウッドでリメイクされ、現在公開を控えています。アメリカでは『ニューヨーク行き』といったタイトルになるようです」(尹氏)

 では、Kゾンビの特徴や作品の魅力は、どんなところにあるのだろうか。

「Kゾンビの特徴は、なんといっても、ゾンビの動きの速さです。これまでのゾンビがどちらかといえばノロノロした動きが主流だったのに比べて、Kゾンビは実に素早く動きます。そして、ゾンビたちにも個性やそれぞれのキャラクターがあり、動きや表情にストーリー性を持たせました。そのためゾンビに対して、ときに切なさを感じるほど、感情移入してしまうのです」(尹氏)

 ちなみに、『新感染』や『キングダム』シリーズに参加してきた振付師が『今、私たちの学校は…』の新しいゾンビの動きを考えたという。ゾンビの動きの進化にも注目して観ると面白い。