■水泳選手の最強彼氏『恋のゴールドメダル〜僕が恋したキム・ボクジュ〜』
『恋のゴールドメダル〜僕が恋したキム・ボクジュ〜』(2016~17年)で、初のラブコメ主演を果たしたナム・ジュヒョク。本作でジュヒョクに沼落ちた人も多いだろう。体育大学を舞台に、スポーツに青春をかける若者たちが繰り広げるとびっきりキュートな恋物語で、ヒロインは、女子重量挙げ58kg級のエース選手、キム・ボクジュ(イ・ソンギョン)。『二十五、二十一』のナ・ヒド同様、国家代表選手に選ばれるほどのスゴ者だ(自分の種目を愛する気持ちも重なる!)。
一方、ナム・ジュヒョクが演じたのは、将来を有望視されながらトラウマによりスランプに悩まされている水泳の自由型選手ジュニョン。当然のごとく、水泳シーンでは美筋肉を惜しげもなく披露し、濡れ髪ふくめて眼福だ。幼なじみで実は初恋のボクジュとの息のあったやり取りが微笑ましく、観ているだけで幸せな気分にさせられる。
色気より食い気で恋には奥手のボクジュと、明るいが実は心の傷を持つジュニョンの、からかい合ったり、悩みを打ち明け合ったり、互いを応援し合ったりと、何でも言い合える関係に癒やされること間違いない。周りにどう言われようが、力の強いボクジュはセクシーだとのろけ、彼女が重量挙げ選手であることを誇らしく思う最強彼氏は、ペク・イジンに通じるかも(幼さは残るが)。
■老ヒロインとの関係に癒される感動作『まぶしくて―私たちの輝く時間―』
ファンタジーロマンス『まぶしくて―私たちの輝く時間―』(2019年)は、ナム・ジュヒョクが演技者として大きな成長を遂げた作品だ。ナム・ジュヒョクは突然、25歳から70代の老人になってしまったヒロインと関わる、孤独な青年ジュナを演じている。本作でのジュナは、ペク・イジン同様、貧しい境遇のなかで記者をめざす青年だ。『二十五、二十一』でイジンがヒドに応援され夢を叶えたように、ジュナはヒロインのへジャ(ハン・ジミン)の明るさに希望の光を見出していく。
だが、そのヘジャが突然、70代の老人(キム・ヘジャ)になってしまったから、さぁ大変。彼女と気づかぬまま人生の奈落に突き落とされていくジュナが切なく、苦しい胸のうちを吐露する場面など、胸締め付ける涙の演技で魅せてくれる。こう書いてしまうと、非常にシリアスな物語に感じられるが、老へジャとの心温まるやり取りなど、観ていて、ぷっと笑えたり、じわ〜っとくるシーンも多く、ナム・ジュヒョク自身も演じながら「癒やされた」と語っている名作だ。