韓国映画の躍進を支え、アジアの映画人たちの出会いの場となってきた「釜山国際映画祭」が10月5日から14日にかけて行われた。2020年、2021年と、コロナ禍の影響を受けて行われていた入場制限もすべて取り払われ、3年ぶりにフルスペックでの開催となった会場では、久しぶりにお祭りらしい賑わいを感じることができた。

 映画祭の楽しみといえば、たくさんの映画を見ることと、俳優や監督といった作り手たちの姿を間近に見て話を聞けること。ここでは10月7日から11日までの滞在中に参加したいくつかのイベントについてレポートしていきたい。

■第27回「釜山国際映画祭」現地レポート!

 到着した7日、最初に見たのは、韓国では7月に公開され、725万人を集める大ヒットとなっているアクション時代劇『閑山:龍の出現』。朝鮮時代に豊臣秀吉が送った軍と戦った英雄として知られる李舜臣が、戦術を練り上げて海戦に挑む姿をダイナミックに描き出している。

 上映後には、キム・ハンミン監督と日本の武将・脇坂安治役のピョン・ヨハン、両軍を行き来する人物ジュンサ役のキム・ソンギュが登壇。同作がタイでも公開中ということで、バンコクの劇場ともオンラインで繋ぎ、舞台挨拶が行われた。

声/姿なき犯罪者』(2021年/現在日本全国ロードショー公開中)など、出演作が続くビョン・ヨハンは、ヒゲを蓄えた渋みのある姿で登場。脇坂安治は主人公と対立する役ながら魅力的なキャラクターで、前日に発表された釜日映画賞でも人気賞を受賞。多くの観客に愛されていることを感じさせる大きな歓声が会場に響いた。

©Busan International Film Festival 2022