日本で韓流ブームが巻き起こって約20年。韓国ドラマの人気とともに歩んできた韓流エンタメ情報誌『韓国TVドラマガイド』の表紙を華やかに彩った韓流スターたち。今回からは、俳優1人ずつスポットを当てて、時系列順に表紙画像と当時の取材エピソードや出演作を紹介していきます。

 最初に紹介するのは、最新号103号(2022年12月発売)の表紙を飾ったイ・ジョンソク。表紙初登場は約7年前の58号(2015年4月発売)でした。

■イ・ジョンソク表紙初登場から7年、年下男子から色香漂う大人のヒーロへ

 イ・ジョンソクは1989年9月14日生まれ。2005年に15歳でモデルとして芸能界入りし、2010年に『検事プリンセス』で俳優デビューします。大ヒット作『君の声が聞こえる』(2013年)の一途な高校生役でブレイク後、同じ脚本家パク・へリョンによるファンタジーロマンス『ピノキオ』(2014年~2015年)で若手スターとして一躍注目を集めました。

 その時期、2015年4月発売にされた58号が、記念すべきイ・ジョンソクの『韓国TVドラマガイド』表紙初登場号です。『ピノキオ』でイ・ジョンソクが扮したのは、愛する人たちのために自分を偽って生きる青年ダルボ。パク・シネ扮する嘘をつけないヒロイン、イナへの恋心を抱きながら、家族や正義のために葛藤するTV局の新人記者を瑞々しく演じています。

 主人公カップルだけでなく、同僚記者役のキム・ヨングァン(『初対面だけど愛してます』『サムバディ』)、兄役のユン・ギュンサン(『とにかくアツく掃除しろ!』)、パク・シネの母役のチン・ギョン(『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』)など、脇役たちのエピソードも丁寧に描かれています。

 少年のようなナイーブなルックス、モデル経験もある身長186センチの抜群なスタイル。その王子様のようなビジュアルに加えて、繊細な感性と演技力で、俳優デビューからわずか5年で主演俳優に急成長したイ・ジョンソク。本作でSBS演技大賞で特別賞を受賞するなど、ここからさらなる快進撃が始まりました。

『韓国TVドラマガイド』(58)

 イ・ジョンソク2回目の表紙登場は61号(2015年10月発売)。俳優デビュー作『検事プリンセス』の演出を手がけたチン・ヒョク監督と再びタッグを組んだ『ドクター異邦人』(2014年)を徹底特集しています。

 この時期すでに、イ・ミンホキム・スヒョンキム・ウビンとともに「新・韓流四天王」の1人に挙げられていたイ・ジョンソク。『ドクター異邦人』で彼が演じたのは、北朝鮮から韓国に亡命してきた天才胸部外科医。自由奔放で飄々とした異端なキャラクターで、新たな魅力を開花させました。

 チン・ヒョク監督はデビュー時からイ・ジョンソクの演技の実力を高く評価していて、「彼の演技力は、同世代の俳優のなかでもずば抜けている」と語っています。

『韓国TVドラマガイド』(61)