■チャン・グンソク約5年ぶりの新作ドラマ『ミッキ』の見どころは?

 モチーフは、“史上最大の詐欺事件”として実際に韓国で大きなニュースとなったマルチ商法詐欺犯の謎。詐欺事件の犯人が逃亡先の中国で事故死した8年後、実は「彼は生きている」という証言から物語は始まっていく。

 イ・ビョンホン×カン・ドンウォン主演映画『MASTER/マスター』でも扱われた事件で、ビョンホンが演じた大詐欺師ノ・サンチョンを、ドラマでは『イカゲーム』で大ブレイクしたホ・ソンテが演じることでも注目度の高い作品だ。

 なによりチャン・グンソクの華麗なる復帰が目を引く。“華麗なる”と書いたが、役どころは決して派手ではない。グンソクが演じるのは、自分が信じるものを守るためには、書類操作や隠蔽もしてのける“適度にルール違反もできる”男ク・ドハン。かつては財界の大物を弁護していた伝説の人物で、裁判ではほとんど負けたことがない元弁護士の刑事だ。

 ヒゲを蓄え、タフで荒っぽい風貌だが、被疑者が激昂しても淡々と受け止め、「怒りは収まったか?」と相手を待つことができる。つまり、細部に“元弁護士”の知性と品が宿っている。事件の真相を執拗に追う姿は熱いが、刑事キャラクターによくある“熱血”系とは異なり、抑えたトーンで、得も言えぬカリスマを感じさせるのだ。

『ミッキ』画像出典:Coupang Play