本作では、主人公たちをとりまくサムダルリの人々も丁寧に描かれている。
サムダルの母で海女のリーダー、コ・ミジャに扮するのは、最近も『もうすぐ死にます』『愛していると言ってくれ』と、母親役として引く手あまたの名バイプレイヤー、キム・ミギョン。『ヒーラー〜最高の恋人』以来の共演となるチ・チャンウクと、実の母子のような関係を演じ、泣かせてくれる。
複雑な思いを抱えて周囲に心を閉ざすヨンピルの父サンテ(ユ・オソン)、家族思いのサムダルの父ファンシク(ソ・ヒョンチョル)ら、親世代の過去のエピソードも物語に奥行きを与えている。
また、サムダルの姉で元財閥家の嫁ジンダル役を『ヒョンジェは美しい』『青春の記録』のシン・ドンミ、シングルマザーの妹ヘダル役をgugudan出身のカン・ミナが演じていて、強烈キャラ三姉妹のテンポよいやりとりも笑える。三姉妹のビールの飲みっぷりは伝説級だ。
ジンダルに未練を残す元夫で、気の弱い財閥御曹司デヨンを『ヴィンチェンツォ』『愛の不時着』のヤン・ギュウォンがコミカルに見せている。妹へダルにも、イルカの保護センター代表との出会いがあり……。姉妹たちのロマンスにも注目だ。
一方、ヨンピルの親友役で口が軽い警備員ギョンテ役のイ・ジェウォンをはじめ、サムダルに密かに想いを寄せるサンド役のカン・ヨンソクなど、サムダルリに暮らす仲間たちは賑やかで、見ているだけで愉快な気持ちになる。パワフルで噂好きな海女の女性たちの存在も欠かせない。
済州島の美しい海や山などの絶景、島の人々の情の深いやり取りなど、心癒される要素に溢れた本作。島で獲れた貝の和え物などの日々の食事風景や、サンドの家が営む人気食堂、小さなコンビニ、海を見ながらソジュを飲むシーンなど、旅気分が味わえる要素も盛りだくさんだ。
物語は終盤になり、それぞれの登場人物への共感度も高まるばかり。最後にはタイトルに込められた意味も明かされるだろう。
演出は『椿の花咲く頃』『気象庁の人々〜社内恋愛は予測不能?!〜』のチャ・ヨンフン、脚本は『ゴー・バック夫婦』『ハイバイ、ママ!』のクォン・ヘジュと、ヒーリングロマンスに定評がある布陣が手掛けている。
●配信情報
Netflixシリーズ『サムダルリへようこそ』独占配信中 毎週日曜・月曜、新着エピソード配信
[2023~2024年/全16話予定]演出:チャ・ヨンフン『気象庁の人々〜社内恋愛は予測不能?!〜』『椿の花咲く頃』 脚本:クォン・ヘジュ『ゴー・バック夫婦』『ハイバイ、ママ』
出演:チ・チャンウク、シン・ヘソン、キム・ミギョン、ソ・ヒョンチョル、ユ・オソン、シン・ドンミ、イ・ジェウォン、ペ・ミョンジン、カン・ヨンソク、カン・ミナ