――キム・ナムジュさんは6年ぶりのドラマ出演ですが、本作のどんなところに惹かれたのでしょうか。
キム・ナムジュ「とても胸が痛む物語ですが、根底にある“強い母性愛”に心動かされました。子供を亡くした世の母親たちの思いを代弁したいという思いで出演を決めたのですが、 同じ母親として耐えられない痛みを経験するスヒョンに深く共感し、同情し、慰めてあげたい気持ちになりました」
――チャウヌさんはこの謎めいた青年をどう演じたいと考えましたか?記憶に残るセリフはありますか?
チャウヌ「ソンニュルの抱えている傷や痛みなどを表現したい。また、それを克服していく過程も表現したいと思いました。『こうしてこそ僕が生きることができる気がして……。そうでなければ死にそうだから』というセリフがあるんですが、ソンニュルという人物をよく表した言葉で、すごく胸が痛んだ記憶があります」
――セリフが謎めいていますね。
チャウヌ「物語が進むにつれ、パンドラの箱のように秘密が明かされていくので、彼の感情の変化に注目してほしいです。演じながら、僕も癒やされていくようでした」
――キム・ガンウさんは、スホの父性をどうとらえて演じましたか?
キム・ガンウ「僕も子育てをする父ですが、母性のほうが直感的で、圧倒的に強いですよね。子供にとって母の腕の中に勝る場所はないでしょう。一方で父の愛は、静かに見守るといいますか、遠くからすべてのことに目を配る雄ライオンのような感じがあると思います。そういった母性と父性の違いは意識して演じました。
僕はよく、演じる役柄に動物を重ねるのですが、序盤のスホは、家族が互いに肌を合わせて仲良く過ごすウサギ、現代のお父さんの雰囲気で演じています。一方、後半のスホは、上空から全体を見下ろすような、隅々まで目を配る鷲の姿をイメージしています。その両方の姿がスホにあってほしいと願っていました」
キム・ナムジュ「それでいえば、スヒョンは母親カンガルーですね。 子供は体の一部。失うと、体を切られたように痛み、心のバランスも崩してしまうようです」
チャウヌ「僕は熊。熊はおとなしい動物ですが、何かよくないことがあった時は、怖ろしい力を出して周りに脅威を与えます。ソンニュルも痛ましい出来事で心に傷を負い、荒んだ人生を選びます。普段は優しい青年ですが、怒らせると獰猛な爪を現す……なので、熊が思い浮かびました。危険な人物か? それは見て確かめてください(笑)」
イム・セミ「私がイメージするユリは、野良猫かなと思います。心の傷もあるけど、家庭的な温もりに接した時、限りなく愛嬌を見せる。そんな安らぎ、平穏さを望む人物ですが、視聴者の皆さんの目にどのように映るか、楽しみです」