――密輸王役のチョ・インソンさんがホテルの室内で数十人と乱闘するシーンも見どころ。韓国アクション映画の巨匠として、チョ・インソンさんのアクションの魅力は?
「アクション映画の巨匠とまで言ってくださって気恥ずかしいですが……。これはよく知られていることでもありますが、チョ・インソンさんはテコンドー4段で、師範の資格ももっている。アクションも体のラインが本当にきれいなんです。また、手足がとても長いので動きがダイナミックですし、表情もイキイキとしている。だから、クローズアップされるたびに破壊力が凄まじい」
――最近の作品の中で“最もカッコよく色気のあるチョ・インソン”だったと思います。
「チョ・インソンさんをカッコよくないように撮るほうが難しいんじゃないですか(笑)。私が撮ったからではなく、どう撮っても誰が撮ってもカッコいい人なんだと思います。
アクション映画において、観客を引き込むためには、アクションだけでなく、キャラクターそのものが重要です。キャラクターに没入感をもてるからこそ、そのアクションが破壊力をもつのだと思います。
そういう意味では、チョ・インソンさんは歳を重ねるほどに、キャラクターになりきる力が増している俳優です。
アクションにおけるテクニックが素晴らしいとか、イケメンであるとかということ以上に、チョ・インソンさんが俳優としての深みをどんどん増していることが観客たちも観ていてわかるから、自然と彼のカッコよさに引き込まれていくのだと思います」
●リュ・スンワン監督プロフィール
1973年生まれ。2000年、『ダイ・バッド~死ぬかもしくは悪(ワル)になるか~』で長編映画デビュー。『ベテラン』は韓国で観客動員数1000万人を突破。そのほか、代表作に『生き残るための3つの取引』『ベルリンファイル』『モガディシュ 脱出までの14日間』など。
●作品あらすじ
1970年代半ば、韓国の漁村クンチョンでは、化学工場による海洋汚染が広がり、地元の海女たちが失業の危機に瀕していた。海女のリーダーのジンスク(ヨム・ジョンア)は、仲間の生活のために海底から密輸品を引き揚げる仕事を受けるが、ある日、税関の摘発に遭い、刑務所送りに。1人逃げ延びたチュンジャ(キム・ヘス)は、2年後、密輸王クォン(チョ・インソン)とともに儲け話をもってクンチョンに戻ってくるが……。
●公開情報
『密輸 1970』新宿ピカデリーほか全国公開中
[2023年/韓国/129分]監督・脚本:リュ・スンワン『モガディシュ 脱出までの14日間』『ベテラン』 脚本:キム・ジョンヨン、チェ・チャウォン
出演:キム・ヘス『国家が破産する日』『シュルプ』、ヨム・ジョンア『SKYキャッスル~上流階級の妻たち~』、チョ・インソン『モガディシュ 脱出までの14日間』『ムービング』、パク・ジョンミン 『ただ悪より救いたまえ』『地獄が呼んでいる』、キム・ジョンス『工作 黒金星と呼ばれた男』、コ・ミンシ『5月の青春』
配給:KADOKAWA、KADOKAWA Kプラス 提供:KADOKAWA Kプラス、MOVIEWALKER PRESS KOREA
公式サイト:mitsuyu1970.jp
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