超能力者が登場するドラマはこれまで様々にあった。しかし、『CASHERO ~ヒーローは現金を持つ~』が非常にユニークなのは、その超能力を発揮できる条件がきわめて特異なことだ。たとえばカン・サンウン(ジュノ/2PM)の場合は、持っているお金の額に応じて超能力を使えるようになっている。(以下、一部ネタバレを含みます)
■2PMジュノ主演『CASHERO』で描かれるお金と超能力、使い方によって結果がどう変わってくるのか
カン・サンウンの仲間であるピョン・ホイン(キム・ビョンチョル)は、酒を飲めば超能力をいくらでも出せるようになる。また、パン・ウンミ(キム・ヒャンギ)は摂取したカロリーの分だけ念力を使いこなせる。彼女は「パンミ」というあだ名を持っていて、「カロリー=パン」という図式を生かして、パンを食べた後に超能力を出している。
このように、お金、酒、パンという人間生活に欠かせないものが超能力の条件になっているところが、『CASHERO ~ヒーローは現金を持つ~』の興味深いオリジナリティだ。
特に、カン・サンウンに超能力を与えるお金は、誰にとっても切実である。彼と結婚したキム・ミンスク(キム・ヘジュン)はとても現実的な感覚を持っている女性で、マンションを購入することに必死にこだわっている。
そのためにはお金が必要だ。それなのにカン・サンウンは超能力を出すためにお金を次々に消費している。これはキム・ミンスクにとって耐えられないこと。彼女はムキになってカン・サンウンに文句を言っている。
とはいえ、彼も好きでお金を消費しているわけではない。バス事故とか火事とか、悲惨な出来事を防ぐためにお金を使わなければならないのだ。いわば、人を救うための浪費であり、この仕組みこそがドラマが内包している強烈なジレンマになっている。その中でカン・サンウンは自己矛盾に打ち勝って世の中をいい方向に導いていく。