■致死率75%! 驚異の殺人ウイルスがすでに蠢き出している!!

 昨年(2021年)1月、オランダを拠点とする「医薬品アクセス財団」がある警告を発したことが報じられた。その警告とは「次のパンデミックは中国を発生源とする致死率75%のニパウイルスだ」というものだ(出典)。ニパウイルスとは耳慣れない名前だが、すでに2018年にはWHOが致命的なパンデミックの可能性が高いウイルスとして、エボラ出血熱やSARSなどと並びリストアップされているものだ。

 何より恐るべきはその致死率。コロナが0.66%、インフルエンザが0.1%(CNNの報道より)、ここ数カ月急速に感染者が増えているサル痘ですら1~10%。感染すればほぼ死を免れないニパウイルスがどれだけ危険なものかおわかりいただけるだろう。

ニパウイルスの宿主とされるフルーツバット(オオコウモリ)/画像はCSIROより

 最初の発見は1998年マレーシア(注3)。養豚業の関係者が発熱から意識障害、痙攣(けいれん)、昏睡(こんすい)と急性脳炎の症状でバタバタと斃れた。1999年まで断続的にクラスターが発生し、感染者105人の半数以上が亡くなった。

注3/WHOの報告より。ただし、最初に急性脳炎の患者が発生したのが1997年3月で、その後の疫学調査と研究の結果1999年までにニパウイルスが原因と判明した。

 当初はブタが感染源と疑われたが、現在ではフルーツバット(オオコウモリ)がウイルスの宿主であったことが判明。その後、2001年にはインド、2004年にはバングラディシュと感染エリアが広がっていることも判明した。